変わる。セルフコンパッションへの道3
「セルフコンパッションをすると何かいいことがあるの?」
セルフコンパッションで、自分へ慈悲の心をむけられるようにしていったとして、どのような変化がおこるのでしょうか?
それでは引き続き、クリスティーン・ネフさんの「セルフコンパッション あるがままの自分を受け入れる」でセルフコンパッションについて学んでいこうと思います。
1 感情の回復
人はポジティブよりネガティブな情報に反応しやすくなっています。
そのネガティブな反応について「考えないようにしよう」と思うと、かえってそのことを考えてしまいます。
その結果、ネガティブな感情がより強化されてしまいます。
そこで、「考えない」ようにするのではなく「受け入れる」ようにします。さらに、そのネガティブな感覚は体のどこで起き、どのような感覚かを意識します。
そして、自分に優しくしてくれる人物を想像し、ネガティブな感覚に対して優しい言葉をなげかけるようにします。
このようにして、ネガティブを消すのではなく、ネガティブを優しさでつつみこみ、変化させることができるようになります。
2 自尊心
『自尊心は高い方がよい。だから自尊心を高めるために、どんな行動に対しても称賛するようにしましょう。』
このようにすると、自尊心は高くなるのですが、どんなことでも称賛されてしまうため、自分を正確に理解することをさまたげてしまいます。
また、優越感を持つことに価値を置くようになると、失敗しそうなことはチャレンジしなくなるようになります。
セルフコンパッションが高まると、「成功や失敗は一時的なもので、自分の価値を決めるものではない」と気づくことができます。
これにより、まわりと自分を比較することが減り、失敗から学びを得ることができるようになります。
3 やる気
自己批判をすることで、「自分が否定的に判断されるのではないか」と不安が生まれ、集中できなくなってしまいます。
また、「認められること」が目的になると、失敗を回避し、新たなことにチャレンジする気持ちが低くなってしまいます。
一方で「学ぶこと」が目的になると、間違うことや失敗することも学習のプロセスととらえることができるようになります。
その結果、期待通りの結果が得られなくても感情的に反応することがなくなり、長い目でみると目標を達成できる傾向がみられるようになります。
失敗しても自分に対して「慈悲の心」がむけられると信じられることで、挑戦し、そこから学ぶことができるようになります。
