数字を活用する方法?3
あらゆる場面で数字に影響を受けていることがわかりました。
それでは、数字を見るときにどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
ミカエル・ダレーンさん、ヘルゲ・トルビョルンセンさんの『数字まみれ』で学んで
いきたいと思います。
数字は真実?
「数字があると人は深く考えなくなる」
数字を利用して説得しようとしているときに注意が必要です。
本来、関係の無いことでも「数字」があると因果関係があると信じやすくなります。
また、「数字」があることで他の可能性を見逃してしまうことがあります。
たとえば
①毎日10000歩、歩いている人
②毎日1000歩、歩いている人
①と②を比較したときに
「①の方が体重がやせている傾向がみられた。歩くことは体重を減らす効果がある」
という主張があったとします。
さて、これは正しいでしょうか?
もちろん歩くことは健康に良い影響を与えることが多いと思います。
ただ、この場合「10000歩」を歩く人は、もともと健康に気をつかっているため
歩くこと以外に「食事」「睡眠」などにも気をつかっている可能性があります。
数字で見るとこのような他の可能性を考えなくなる傾向が見られるようです。
事前に見た数字でも影響を受ける
数字を予測するときに、事前に見た数字に影響を受けることがあります。
たとえば、あるスポーツで
「○○選手が勝つ確率はどの程度だと思いますか?」
と質問するとします。
この質問のときに
①「○○選手が勝つ確率は10%より高いと思いますか?」
と質問した場合と
②「○○選手が勝つ確率は90%より高いと思いますか?」
と質問した場合では②の方が高い確率を答える可能性が上がります。
事前に「90」という大きい数字をきいたことで、高い数字が基準になるためです。
このようなテーマの質問であれば問題ありませんが、
専門家が、専門的な内容で答えるときにも同じ現象が起きます。
すると、「専門家が答えるのだから、間違いないだろう」と感じやすくなるため
注意が必要です。
そのデータはどこからきたの?
「80%の人が同じ意見です」
と言われると、同じ意見の人が多いのだなと感じます。
しかしこのような数字でも注意が必要です。
たとえば
・どこで質問をしたのか?
ラーメン屋さんで、並んでいる人に
「ラーメンは好きですか?」
と質問すると好きな人の割合は増えると予想されます。
100%も夢ではなさそうです。
(むしろ95%と言われると、残りの5%はなぜ並んだのか気になってきますね。)
・何人に質問したのでしょうか?
「みんな持ってる!」と親を説得する子どもの姿を見かけた
(もしくは自分がその経験をしている)ことがあるかもしれません。
2人中1人が答えたのか、10人中5人が答えたのか、100人中50人が答えたのか
で印象が変わってきますね。
