アドリブトークの突破口?5
前回は「雑談」と「イベント」でのアドリブトークについてみていきました。
今回はまた、別のシチュエーションについて
マット・エイブラハムズさんの『Think Fast,Talk Smart 米MBA生が学ぶ「急に話を振られても困らない」ためのアドリブ力』で学んでいきたいと思います。
営業活動・説得
相手の意見を変える必要があるときには、どのようなことを意識するとよいのでしょうか?
・構成
「①問題提起 → ②解決策 → ③利点」
この順番で話をすすめていくと説明しやすくなります。
①相手と自分について共通の問題点について話をする
②問題を解決するためのステップを提示する
③解決策によってできる利点を説明する。
営業活動・説得のコツは?
さらに説得力を増すためにはどのような内容を加えていけばよいのでしょうか?
1 たとえ話を使う
どの段階でも使用でき、分かりやすさが増します。
2 利点の部分をポジティブに表現する
万能な解決策はありません。
「70%成功、30%失敗」の場合はデメリットには触れつつ、「70%の成功」に重きを置いて注目してもらう方が説得力が高まります。
3 問題の原因に配慮する
解決策を一方的に提示されても、「できない理由」があるかもしれません。
根本の原因について相手と共有することで、相手も納得して解決策を受け入れることができるようになります。
質疑応答
質疑応答を、「相手から攻撃されている」と感じる場合があります。
まずは「質疑応答は対話」と、とらえるところことが大切です。
・構成
「①答え → ②例 → ③価値の提示」
①まずは答えを簡潔に伝える。
②答えを裏付ける具体例をあげる。
③自分の答えについて、相手にとっての価値ある部分を答える。
質疑応答のコツは?
・想定問答をしておく。
相手からの質問を想定して練習をしておきましょう。
可能であれば、誰かに回答を聞いてもらっておくとよいです。
・回答後にあらためて重要な点を伝えておく。
質疑応答が終わったあとに、最後に伝えておきたいことを考えておくことで、
最後をうまくしめることができます。
・自分の質問を用意しておく。
誰からも質問がないことを想定して、「自分にとって有利になる質問」を考えておきます。
これにより、他の質問が出るようになることもありますし、質問がなくても良い印象で終えることができます。
フィードバック
フィードバックでは「教えてやろう」ではなく、「協力して問題を解決する」と考えましょう。
・構成
「①気づき → ②考え → ③協力 → ④効果」
①気づき
相手に対して気づいたことを具体的に伝えます。
②考え
相手に対してどのように良くなって欲しいかという考えを説明します。
③協力
改善するための策を具体的に簡潔に伝えます。
相手と協力してすすめる策でも、相手が自主的にすすめる策でもよいです。
このときには、主語を「私たち」にして話すことで相手と目線の高さが同じになり、良い変化が起きやすくなります。
④効果
提案をきいたときのプラス効果と、きかなかったときのマイナス効果について話をします。
フィードバックのコツは?
・タイミングに気を付ける。
何か変えておく方がよいことがあれば、なるべく早いタイミングでフィードバックをする方よいです。
・バランスをとる。
フィードバックは「自分のマイナス点」を指摘されることが多いですので、最初に相手の良い点を伝えておくことで話のバランスがとれるようになります。
・焦点をしぼる。
フィードバックが多いと、どれも伝わらなくなってしまいます。
1つか2つにしぼって伝えるようにすると、それぞれが効果的なフィードバックになります。
謝罪
「謝罪は弱さ」ではありません。逆に「謝罪は勇気の証」です。
・構成
「①責任 → ②思いやり → ③措置」
①責任
謝罪の原因を明らかにして、責任を認めます。
このときには、自分を正当化したり、大したミスでなかったように伝えたりするのはよくありません。
何について謝罪しているのかを具体的に伝えるようにしましょう。
②思いやり
傷ついた相手のことをおもいやります。
③措置
今後、よくするためにはどのようにするかを具体的に伝えるようにしましょう。
謝罪のコツは?
・できるだけ早く謝罪する。
時間がすぎても、相手の不信感が増していくことが多いです。
タイミングよく謝罪することで自分も相手も前向きになれます。
・必要なことだけを伝える。
色々なことを伝えると、相手も謝罪を受け入れて考えを整理する時間がなくなってしまいます。
しっかりとした謝罪をした後は、相手を信じて待つようにしましょう。
これまで色々な方法や対策をみていきましたが、
アドリブといえど、重要なことは「準備と練習」です。
普段からどんどん話をしていくことが、本番でのアドリブにつながるのですね。
