組織の人数が成長を阻む

前回まで、チップ・ヒースさん、カーラ・スターさんの『数字の翻訳』で学んでいました。

数字に強くなるための方法として、

1 (  )を小さく

2(  )を作る

3 データを(  )で表現する

4 (  )を利用してダメおしする

という内容をみていきました。

回答例は

1 分母  2 比較対象  3 動詞  4 アンコール

今回からは

 トレイシー・カミレッリさん、サマンサ・ロッキーさん、ロビン・ダンバーさんの『「組織と人数」の絶対法則』で、集団における人数の影響について学んでいこうと思います。

○人が自分の人生に大きな影響を与える

 人が社会において、健全に生活するための3原則があります。

1 人は他者を知り、他者からも知られていると活躍が可能になる。

2 社会活動にあてる時間の60%をわずか15人に費やしている。

3 近しい人たちと時間を共有したり接触したりすることで幸福感が高まる。

人間が生活をしていく中で結ぶことができる人間関係には、自然な限界があります。

日常生活においては

・一番親密な5人の人物に、自分の時間の40%を使っています。

・次に親密な10人の人に20%の時間を使っています。

 つまり、60%の時間を使う15人が誰になるかによって、自分自身の人生が大きく変わっていくことになります。

グループの規模は、○人が分岐点。

 人間関係を形成する自然な限界があるのであれば、それは何人くらいなのでしょうか。

その人数は約150人とされています。

150人をこえると、日常的に出会う機会が減り、情報の流れが悪くなります。

 これによって、人々はグループを形成するようになり、その中でのみ話をするようになっていきます。

 グループができると、同じ組織にいる人の中でも「私たちは」「彼らは」といいあうようになり、お互いの信頼感がなくなってしまいます。

 150人をこえることが組織にとって悪影響を与えてしまうことがあるようです。

関係を維持するために必要な時間は?

  少し余談ですが、さきほど、最も親密な5人、次に親密な10人という話がありました。この関係を維持するためにはどのくらい連絡をとる必要があるのでしょうか。

・「5人」を維持する場合・・・少なくとも1週間に1回

・「10人」を維持する場合・・・少なくとも1ヶ月に1回

これよりも接触回数が減ってしまうと、親密度のランクが下がってしまいます。

 それでは、0からスタートして、この15人に入るためにはどのくらいの時間が必要なのでしょうか?

 こちらは推測にはなりますが

「3〜4ヶ月で200時間の直接の接触が必要」

 とされています。

1日で平均2時間、直接の接触が必要となるとかなりハードルが高いですね。

大きな組織の問題点

 さて、話をもどして150人をこえる組織がなぜうまく機能しなくなるのでしょうか?

その主な原因としては

・全員で集まる機会を作りにくくなる

・それぞれが意見を交換するために時間がかかる

・関係をつくる(お互いを知り合う)時間がとれない

・責務をはたさない人がでてくる。

 まとめると「意思決定に時間がかかる」ということになります。また、たくさんの知恵はあるものの、活用されない状態がでてきてしまいます。

 こうなると、一部の声が大きい人の意見が通り、組織内で分裂がおき、組織の運営がしにくい状況が生まれてしまうのです。

小さい組織の問題点

 では、小さい組織の問題点はどのようなところにあるのでしょうか?

・人数が少ないことで、相手に不安を感じさせる

・イノベーションに必要な視点が少なくなる

・必要な能力が足りなくなる可能性がある

このような点が、小さい組織の弱点になります。

逆に、小さい組織の利点は?

 これは大きな組織の逆の部分になりますが、

・意思決定がすばやい

・それぞれの意志を表すことができる

・お互いを知り、それぞれの役割をはたすことができる

このような点が利点になります。

では、このような小さい組織の利点を活かしつつ弱点を補うことは可能なのでしょうか?

そのポイントは、異なるグループとの関わりを持つようにすることです。

 異なるグループとの関わりをつくることで、視点が増えることになりイノベーションにつなげることができます。

少人数グループは○人でつくる!

それでは、少人数グループを作るときには何人にしておくとよいのでしょうか?

その人数が5人といわれています。

 開発チームを分析したデータによると、最大成果をあげたのは3〜6人のチームで、へ平均人数は4.4人となっていました。

 成果が低かったのは7〜9人のチームで平均人数は7.8人が平均となっていました。

 ただ、平均的な3人チームは最大成果を出したチームの60%しか成果をだせませんでした。

 すると4人・5人・6人チームが最適人数の候補になります。この中で5人がもっとも成果をあげることが多くなりました。

 これは、話し合いをしたときに「引き分け」がなくなり、より効率的な意思決定をすることができるからだと考えられます。

 チームの人数だけでも成果に大きな影響があるのですね。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です