「頑張ってなんとかする」からの脱却
がんばっていけば成果はでる。しかし、これには限界があります。どんなに時間とエネルギーを費やしてもそれ以上の成果が出なくなる状況になっていきます。
前回までグレッグ・マキューンさんの「エッセンシャル 思考」で、本当に必要なことを選び、集中して行動するということを学んでいきました。
しかし、本当に必要だと思うことを選択しても、「まだ多い」というときはどうすべきなのでしょうか?
そこで今回から、グレッグ・マキューンさんの「エフォートレス思考」で、どのように行動するかについて学んでいきたいと思います。
エフォートレス思考の3段階
どんなにやる気があっても、時間やエネルギーは限られています。
そのため、最優先事項に「楽なやり方」で取り組めるようになることが必要になります。
そのためには
1 「精神」:頭と心に余裕をつくる段階
2 「行動」:効率のよい方法をみつける段階
3 「しくみ化」:行動を自動化し、成果が出るようにしていく段階
この3段階を積み重ねることで、大切なことを今までよりも楽に取り組めるようになっていきます。
「がんばれば成果がでる」からの脱却
「多くの時間とエネルギーを使って困難なことに取り組んでいく。」
非常に良いことだと感じます。一方で
「短い時間と少しのエネルギーを使って簡単なことに取り組んでいく。」
こちらは「楽をしている」ように感じます。
しかし、実際には
・困難を避けること
・簡単な方法を選ぶこと
これは人間の本来の性質です。まずは、「もっと簡単な方法を探して、楽をして成果を出す」というのは悪いことではなく、普通のことだと認識する必要があります。
「がまん」から「楽しい」へ
「重要なことは苦痛だ」と考えられることがあります。しかし、苦痛なこと、楽しくないことは後回しにしたくなります。その結果、実行されないようになってしまいます。
もし、「重要なこと」と「楽しいこと」を結びつけることができれば気持ちを楽にして取り組むことができるようになるはずです。
では、どのようにすれば「楽しく行動」できるようになるのでしょうか。
・大事な行動と、わかりやすい報酬をむすびつける
ふりかえってみると、「嫌な気分で」取り組んでいるということがあるのではないでしょうか。
そこに自分の楽しいと感じることを組み合わせることで嫌な気分をおさえることができるようになります。
たとえば
・通勤中に好きな飲み物を飲む
・ランニング中に好きな動画をみる。
・ウォーキング中に好きなラジオを聴く。
自分の好きなことを結びつけることで、嫌な気分を解消することにつながります。
逆に、ランニングやウォーキングは好きでも本を読むことが苦手という人であれば
・ランニング中に音声アプリで音読を聴く。
ことで楽しく運動しながら本を読む(聴く)ことができるようになります。
頭と心に空間を作る
ついつい余計なことを考えてしまう・・・ということがあります。
・古くからの目標
・考えてもしかたのない「後悔」
・長年の「怒り」
一つ一つは小さくても、このような内容が降り積もっていくと思考に影響が出るようになってしまいます。
世の中の不満に目をむけていると、「足りない部分」に目がいくようになります。
逆に、感謝に目を向けることで「足りている部分」に目がむくようになります。
感謝というポジティブな気持ちは、ネガティブな気持ちを抑えることにつながります。
その結果、視野が広がり、創造性が高くなっていきます。
ネガティブなことを頭と脳から開放することが大切です。
休んでリセットする
肉体的にも精神的にも、最大のパフォーマンスを発揮するためには、休ませる時間が必要です。
目安としては
・1日の仕事は、1日で疲れがとれる程度まで
・1週間の仕事は、週末で疲れがとれる程度まで
となります。
(がんばってもうまくいかない・・・)
このように感じているときは、さらに力を入れてがんばるのではなく、力を抜くことを試してみると良い方向へ進むことがあります。
特に、「睡眠時間をけずってがんばった」という話は称賛されることがありますが、良い結果にならないことが多いです。
睡眠時間が不足することで、健康にも思考にも悪影響がありますので、
・8時間程度の睡眠時間をとる
・昼寝を活用する
ようにして、パフォーマンスを高められるようにしましょう。
今、この時に集中する
今の世の中は多くの情報があります。情報が多すぎることで、見てはいるけれども見えていないということがよくあります。
それでは、注意力を身につけるためにはどのようにすればよいのでしょうか?
1 静かな場所を準備する
静かな、注意力をさえぎるものがない場所がよいです。
2 体を楽にする
背筋をのばして、全身の力を抜いて自然に呼吸します。
3 頭にうかぶ考えをながめる
頭にうかんできた考えを無理に抑えることなく、過ぎ去っていくことを感じます。
4 嫌なことを許す
嫌なことが思い浮かんだときには、嫌なできごとを許すようにします。
5 感謝を感じる
自分が感謝したときのことを思い出して再体験しているようにイメージをします。
この方法は一例ではありますが、自分に集中することで注意力を高めていくことができるようになります。
近年の研究では「注意力をきたえることで、情報を処理する速度が高くなる」ということが分かっています。
頭の中が整理され、注意力をトレーニングすることで、行動を変化させる準備ができてきました。
