脱「幸福になりたい!」5
前回は、「今・ここ」に意識を集中させる「接続」について学んでいきました。
その内容を確認してみましょう。
1 行動をするかどうかは、その行動をすることによって、( )に近づくかどうかで決める。
2 「接続」の手段として、音・感覚・呼吸などの普段は( )いなかったことに注目する方法があります。
回答例
1 自分の理想 2 気がついて(気にして)
それでは今回もラス・ハリスさんの「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」で学んでいきたいと思います。
「今・ここ」につながる呼吸
呼吸は自然とおこなっており、普段からあまり気にすることはありません。この呼吸に意識をむけることで「今・ここ」に注目できるようになります。
呼吸のポイントとしては
1 まず、しっかりと「吐く」
しっかりと息を吐ききることで、自然と吸うことができるようになります。
2 力を入れずに吸う
力いっぱい吸うと、吸いすぎになって苦しくなります。
この呼吸を10回程度繰り返します。
・最初の5回は呼吸へ集中する
・残りの5回は周りの環境へも集中する
こうすることで、今に集中できるようになっていきます。
事実を伝える
何かを見たり、感じたりしたときには「○○は良かった」「□□はよくなかった」という判断をすることが多いです。かつてこのような判断は、命にかかわるものだったため、生きるために必要なものでした。
そして、長い年月の間判断を繰り返していた結果、現在でも何らかの判断を常にしている状態になっています。
このような判断を減らしていく方法として「実況中継」があります。名前の通り、「事実を伝える」ということです。
たとえば
A:カレーだ B:カレーはおいしい C:カレーは好きだ
このような文章があったとします。この中で事実を伝えているのはどれでしょうか?
事実を伝えているのはAになります。BもCも事実かもしれませんが「価値判断」を含んだ意見になります。事実を伝えるということが「今・ここ」に集中することにつながっていきます。
「ポジティブ VS ネガティブ」終わらない戦い
人は自分について「ネガティブ」に考えることが多いです。こちらも、かつて生き延びるため必要な力でした。
自分のよくないところに気が付き、修正することで集団から拒否されることを防ぐ。そのためにはネガティブなところに気が付くことは重要な能力です。
しかし、ネガティブなところに気が付くことによって「自分はダメな人間だ」という思考にもつながってしまいます。
そこで「ポジティブに考えよう」ということになるのですが、「ポジティブに考える」ことで別の問題が発生します。それは、ポジティブに考えることで、以下のようなネガティブな思考が出てくることです。
・ポジティブに考えるために、自分にとっての「ポジティブな材料」を集める
運動をした。好き嫌いなく食べる。など・・・
・ポジティブな材料が減ってくると、ネガティブが反撃を開始する
今日は運動をしたが、昨日はしなかった。好き嫌いなく食べているが食べ過ぎだ・・・
このような戦いが常に起きてしまい、自分のエネルギーの多くを使ってしまうことになるのです。そして頭の中で「ポジティブ・ネガティブ論争」が起きている間に、意識は「今・ここ」からはなれていってしまうことになります。
では、この戦いを終わらせるためにはどうすればよいのでしょうか?
自尊心からの解放
自尊心が低いと、自分を好きに慣れない。自尊心が高いと、自尊心を保つことを強制され、いつかダメになるのではないかと不安がつきまといます。
この思考から解放されるために「自尊心から解放」をするとどうなるのでしょうか?
自尊心は「豊かな人生のために必要ではないか?」と感じるかもしれません。しかし、豊かな人生に必要なことは、今の自分の価値観に合う行動をすることです。
自分について判断しているときは、長い時間の中の、ほんの一部を切り取った部分だけで判断していることが多いのです。
必要なことは、自分を判断する代わりに、強みと弱みを認識した上で、なりたい自分になるためにできる行動をすることです。
