失敗を使って、学習する方法
誰しも失敗はしたくないものです。失敗をしてもなるべく隠したくなります。
そのため、「失敗から学ぶ」というのは非常に難しいものになります。だからこそ失敗を活用し、学ぶことができる人や組織はより効果的に成長することができます。
そこで、今回からマシュー・サイドさんの『失敗の科学』で失敗から学べるようにしていきたいと思います。
信じているからこそ学べなくなる
「この方法でやればうまくいく」と強く信じられているものがある場合、それ以上を学ぶことが難しくなります。
もちろん、その方法でうまくいけば「やはりこの方法でよい」となりますし、もしうまくいかなかった場合でも「この方法でもうまくいかないくらい状況がよくなかった」と解釈されるようになります。
こうなると、失敗の根本的な原因は解明されないまま、同じ方法が使用され続けるようになります。
集中しているときの失敗
一般的に、失敗は集中できていないときに起こることが多いと考えられます。しかし、集中しているときこそ失敗が起こることもあります。
集中していることにより、他のことに意識がまわらなくなるため、問題が発生していても気にされずに失敗が発生してしまうようになります。
上下関係が強いと改善しにくくなる
上下関係が強すぎる場合は、上の人へ意見をしにくくなります。また、問題点があっても報告しにくくなり、ミスの発生につながってしまいます。さらに、問題が起きても隠そうとしてしまう傾向が高まり、改善へつなげることが難しくなってしまいます。
失敗から学ぶポイントは2つ
失敗から学べるようになるポイントは2つあります。
1 失敗から学ぼうという気持ち(マインドセット)
2 失敗から学ぶ仕組みを作る(適切なシステム)
まずは、失敗から学ぶことによる利点を知り、失敗から学ぶ気持ちを持つことが大切になります。
失敗から学ぶことは効率がよい
何が正しいかわからない場合、色々試してみることで最終的にうまくいくということがあります。
学ぶためには「フィードバック」が必要です。やってみることで1つの結果がでます。その結果を検証して次の方法を試す・・・これの繰り返しでよりよいものにしていくことができます。
失敗?を見抜く力
失敗から学ぶときのポイントとして「見えていないもの」を意識するというものがあります。
うまくいかなかったときに「今、見えているもの」から原因を探すだけではなく、「今、見えていないもの」が原因である可能性を忘れないようにしましょう。
(例)戦闘機を改良するとき
・戦時中、帰還した飛行機を分析して「どの部分の装甲を厚くすればよいか?」を検討することになった。
・すべてを厚くするとスピードが落ちてしまう。
・戦闘機には様々な部分にうたれた穴があいている。
さて、どの部分を強化すればよいか?
研究者たちが提案した強化すべき場所は「撃たれた穴が無い部分」でした。
帰還できたということは「撃たれても大丈夫な場所を撃たれた」ということです。帰還できなかった戦闘機は「撃たれてはいけない場所」を撃たれたから帰還できなかったのです。
このように「撃たれた場所」だけをみていては改善できない場合がありますので、「見えていない部分」を検討することを忘れないようにしましょう。
失敗をみんなで共有する方法
失敗を共有しようとした場合でもうまくいかない場合があります。
それは、失敗を活かす方法が「複雑」である場合です。もし失敗を活かすポイントは
・現実的な方法である
・シンプルな方法である
・効果的であると感じられる方法である
これらに注意することで、組織全体で改善策を共有することができ、大きな効果をあげることができるようになります。
