「自分を変える」「相手も変える」方法
相手にお願いをして断られる。自分で目標をたてたのに行動できない・・・このようなことがあると思います。
このような場合、見せ方や伝え方を変えることによって自分の行動力を高めたり、相手に行動してもらうようにできたりします。
それでは今回から、リチャード・ショットンさんの『自分で選んでいるつもり』で行動科学、行動心理学について学んでいきたいと思います。
習慣の形成
日常生活の43%は習慣的な行動だと言われています。
この43%をコントロールすることで、自分のしたい行動を増やすことができるようになります。
では、どのようにすれば、うまく習慣にできるのでしょうか?
1 今ある習慣を変える
習慣を変えるのは非常に難しいです。しかし、変えやすいタイミングがあります。
それが「はじまり」のタイミングです。
・週、月、1年、学期などのはじまり
・誕生日
などがはじまりのタイミングとして効果の高いタイミングになります。
2 モチベーションだけに頼らない「きっかけ」作り
目標をたてるときには気持ちが高くなっていますが、段々と低下していってしまいます。
そのため、目標をたてるときに、あわせて行動をする「きっかけ」も設定しておくことが効果的です。
・いつ
・どこで
・だれと
行動するかを想定しておくことで、目標となる行動を思い出させる「きっかけ」を想定しておきます。
3 今やっていることを「きっかけ」にする
すでに習慣になっている行動の「あと」に目標となる行動をするように想定します。
今ある習慣を「きっかけ」にすることで自然と目標となる行動を思い出すことができ、実行する可能性が高まります。
4 目標となる行動はなるべく「簡単」にする
習慣にしたいことは、はじめのうちはなるべく簡単に行動できるようにしておくことが重要です。
たとえば、最終的にスクワットを50回したい場合は、1回からスタートして段々と増やしていくと「大変だからやめておこう」を防ぐことができます。
準備が必要なことであれば、事前に準備を終えておくことで、「準備がめんどうだからやめておこう」となることを防ぐことができます。
5 不確実な報酬
報酬はものでも、精神的なものでも効果はあります。
報酬に関しては毎回決まったタイミングで出すのも効果があるのですが、より効果的な方法があります。
それが、「いつ報酬がでるのかわからない」ようにすることです。
いつ報酬がでるのかわからないというときには、報酬がでたときにより強い喜びを感じることができます。
6 反復
最後に習慣化に必要なことは「繰り返し」です。定着する日数は人によって違ってくるので、自然とできるようになるまで繰り返すことが重要です。
簡単にする
行動をさせたいときには「アクセル」を強くふんで行動をうながすことが多いです。しかし、「ブレーキ」をゆるませて行動しやすくするという考え方もあります。
なかなか行動できないときには、行動しやすい状態になっているかを見直してみることが大切です。
「なぜ行動していないのか?」ということから考えて、行動しやすくするためにはどうすればよいか?を検討すると良いことがあります。
1 ジャマしているものを発見し、減らす
行動してほしいときは、ささいなことでも抵抗なくできるようにしておくことが効果的です。
2 最初のステップをとにかく簡単にする
行動をさせたいときは、ささやかな行動をお願いすることからスタートするようにします。
その手間も最低限になるようなお願いにします。
自分が行動したいときも、すぐできることからスタートするようにしてみましょう。
3 選択肢の数は減らす
選択肢が多いと決められなくなるので、提示する選択肢は減らすように心がけます。
選択肢を減らして効果が高くなる状況としては
・特別な好みがない
・選択肢の中身になじみがない
・選択肢が似ている
・選択肢の評価が難しい
このどれかに状況があてはまる場合、選択肢を減らすことが効果的になります。
4 やめさせたい行動には「壁」をつくる
「してほしくない行動をやめさせたい」という場合もあるかと思います。
そのようなときは「簡単にできない」ようにしにくくなるようなジャマを作るようにします。
面倒にする
簡単にするとは逆の方法ですが、面倒にすることが行動をうながすこともあります。
最初に大変な依頼をして、その後簡単な依頼をされた場合「その程度ならよいか・・・」と考えることがあります。
1 2段階のアプローチ
はじめに大変なお願いをして、断られた後で本当にしたいお願いをすることで行動してもらいやすくなります。
2 手間を加えて価値を高める
行動してほしいときは「手間を省く」
価値を高めたいときは「手間を加える」
同じものでも少し手間がかかって手に入れたものはより高い価値を感じるようになります。
Appleの製品はふたがゆっくりとあくように作られているそうです。
そうすることで、箱から製品を取り出すまでに少し手間がかかるようになり、より高い価値を感じるようになっています。
3 労力が見えた方が価値が高くなる
相手が価値を感じているものを提供するときは、提供までの労力を見せた方がより高い価値を感じるようになります。
飲食店では、キッチンで調理中の様子を見せた場合、より料理の価値を高く評価するようになったそうです。
注意が必要になるのは、価値があるものに対して「より強い価値」を感じるようになるだけという点です。
労力が見えたから価値があるように感じるというわけではないことに注意が必要です。
4 産出効果
あえて少しだけ「わかりにくく」することで、覚えるために労力を加えます。これにより記憶に残りやすくなります。
1 少しだけ頭を使わせる
・文章に空欄を作る
・少しだけ頭を使わないと言いたいことが伝わらない
このような内容の文章をがあると、「わかった!」となったときに嬉しくなり、記憶に残りやすくなります。
2 質問をする
質問をすることで「答えを探す」という選択をとるようになります。自分で考えたことについては受け入れやすくなるため、行動してもらいやすくなります。
3 よみにくい「デザイン」
文字を少しだけ読みにくくします。
そうすると、頭を使って「苦労」して読むことになるので、記憶に残りやすくなります。
もちろん全く読めないものであれば記憶に残りませんが・・・
