「自分を変える」「相手も変える」方法3

 まずは前回からの確認をしていきたいと思います。

1 (  )をふむことにより、リズムがよくなり相手に伝わりやすくなることによって、信頼性が高くなり、記憶にも残りやすくなります。

2 言いやすい名前は(  )が高いと感じられる傾向があります。

3 言いにくい名前はリスクを感じさせる一方で、(  )感を感じさせる効果があります。

4 (  )的な表現は、視覚的なイメージをさせることで頭に残りやすくすることにつながります。

5 (  )数字で伝えることによって、正確性が高いと感じるようになります。

6 日常に使用する商品を選ぶときは(  )の商品を選ぶ傾向があります。

回答例

1 韻  2 安全性  3 ワクワク  4 具体  5 細かい  6 中間

いかがでしたでしょうか?それでは引き続き、リチャード・ショットンさんの『自分で選んでいるつもり』で学んでいきたいと思います。 

分母を無視

 A:全員の中から9人が当選するくじ引き

 B:グループの中から1人当選するくじ引き

 どちらかを引いてください。全体の人数は100人で、グループの人数は10人です。

この選択をして欲しいと言われたときに「A」と答える人の方が多くなる傾向があります。

しかし、計算をしてみると当選確率は、Bの方が10%、Aの方は9%になるので本来は「B」と答える人が多くなるはずです。

このような場合でも「9人」が当選と「1人」が当選という部分に注目して判断してしまうことがあります。

 全体の数字よりも、部分の数字を見て判断するという傾向を利用すると、選択に影響を与えることができます。

1 割引の積み重ね

A:40%OFFキャンペーン

B:20%OFFキャンペーン+追加25%OFFキャンペーン

計算をしてみるとわかりますが、どちらも同じ割引になります。

同じ割引にもかかわらずBの方がより売り上げがよくなる傾向があります。

2 割引の積み重ね方法

 割引の積み重ねには効果があるとわかりましたが、注意点があります。

A:20%OFF + 25%OFF

B:25%OFF + 20%OFF

 この場合どちらの方が売り上げがよくなるでしょうか?

 このような場合は「A」の方が売り上げが高くなる傾向がありました。

 Bの場合、「25%OFFしていたのに、20%OFFか・・・なんだかケチくさいな・・・」と感じてしまいます。

 Aの場合、「20%OFFしたのに、さらにその上の25%OFFしてくれるのか!」と感じます。

 そのため、かなり割引されたと感じるようになります。

フレーミング

どちらのお肉にしましょうか?

A:「脂肪分が25%の牛ひき肉です」

B:「赤身が75%の牛ひき肉です」

このように説明した場合、Bのお肉の方が評価が高くなる傾向がありました。

この場合、「脂肪分25% 赤身75%」はどちらも変わりませんが、言い方がかわることで、受けるイメージもかわります。

・自分が知っていることで判断する

 人は見えている情報、もしくは自分の知っている情報で判断をします。そのため見えていない情報、自分の知らない情報については考えずに判断をしています。

 伝え方を変えることでどのように影響があるのでしょうか?

1 得よりも損に注意をむける

 買うときには「このようにすれば得ですよ」とすすめることがありますが、「こうしないと損ですよ」と伝える方が効果が高いことが分かっています。

2 「完売」「在庫切れ」「取扱不可」

 これらはどれも「もう売れません」という意味合いになりますが、伝え方によって受け取る側の印象が変わります。

 「在庫切れ」や「取扱不可」に比べて「完売」はネガティブな印象が少ないということがわかりました。

 「完売」に関しては(自分が欲しいと思っていた商品は、それほど人気なのか)と感じるために悪い印象が低くなると考えられます。

公正さ

 人は「公正ではない」と感じるとき、自分が損をしてでも公正でない人を罰したいと感じます。

 不公平だと感じたときには、自分が得をする機会でも捨ててしまうということがあります。

1 公正さを利用する

 値上げが必要になったとき、どのように値上げを伝えるべきなのでしょうか?

 これは値上げを正当化できる理由を提示することが必要になります。消費者へ「このような理由で値上げをしなければいけない」という理由を伝えずに値上げをすると「足元をみている」「フェアではない」と捉えられる傾向があります。

2 フェアな行動をしてもらいたいとき

 迷惑な行為を減らす方法として「目」のイラストが入ったポスターをはるというものがあります。

 「目」のイラストは、見られているという気持ちが働き迷惑な行為を抑える効果があるそうです。

選択の自由

 「リアクタンス」という反応があります。自分の自由をおびやかされたと感じたとき、取り戻すための行動をすることです。

 この反応のために、強制されたことはたいてい逆効果になります。

 そのため、他人の行動を改めさせたいときは、できる限り言葉をおさえて気分がよくなる言葉を使用することが必要になります。

1 権力が強い人からの警告には注意

 「権力が強い人からの命令は従う必要がある」と思われがちですが、実際は権力が強い人からの命令に対しては、より強い反発が見られる傾向があります。

 命令するときには、なるべくやわらかい表現を使用する必要があります。

2 ファンに強い言葉は不向き

 長年のファンへ「強めの売り込み」や「要求のメッセージ」を使用すると好ましくない印象を受けるそうです。

 特別関係のない人は「強めの売り込み」でも「通常の売り込み」でもあまり影響はありませんでした。

反発を抑える方法は?

 それでは、相手にメッセージを伝えるにあたって、反発を抑える方法はあるのでしょうか?

1 「あなたの自由です」

 お願いをしたときに、

 「ご判断はおまかせいたします。」

 「するかどうかについては、あなたの自由です。」

 という言葉を付け加えることで、受け入れてもらえる確率が上がったそうです。

 YESを強要しているのではなく、NOと言う自由もあるのだと感じてもらうことが大切です。

2 判断に参加してもらう

 ものごとを決定するときに「○○してください」とお願いするのではなく、する内容を一緒に決めることで提案内容を守ってもらいやすくなります。

 また、する内容についてアドバイスを求めた場合も同じく提案内容を守ってもらいやすくなる傾向がありました。

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