オプティマルゾーンのスイッチ「EQ」4

 それではさっそく、前回の確認からスタートしていきたいと思います。

1 ストレスは、どのようなことが起きたかにもよりますが、どのように(  )かによって影響を受けます。

2 変えられないものよりも、変えられることに集中する方がよいため、周囲よりも(  )を変えることに注意を注ぐ方が効果的です。

3 人は上に立つ人の気持ちに同調していく傾向があるため、上の立場にある人が(  )の能力を持っていると組織全体でお互いを理解しあうようになっていきます。

4 フィードバックを与えるときには(  )に重点をあてることにより、活力とやる気が出て学習意欲が高くなります。

5 チームでの対立解消の第一歩目としては、(  )点に焦点を当てて探すことが大切です。

回答例

1 受け止める  2 自分  3 共感  4 強みや成長  5 一致している

 いかがでしたでしょうか?それではダニエル・ゴールマンさんとケアリー・チャーニスさんの『ゾーンに入る EQが導く最高パフォーマンス』で学んでいきたいと思います。

求められる能力

 近年、企業では様々なスキルよりも、EQに関する「自己認識」「共感」などを重視して評価するというところも出てきているようです。

 リーダーとして活躍する人は、周囲の人のやる気を引き出せることが必要で、従業員として活躍する人は色々な分野の人と関係性をつくることを求められています。

 

EQとリーダーシップ

 EQ能力が高いリーダーのもとで働くと気分がよくなることが多くなるため、オプティマルゾーンに入りやすくなります。

 その結果、よりよい日々をすごすことができるようになります。

 能力が高いにもかかわらず、うまくいかないリーダーは「スキル」が高いことでリーダーに選ばれている傾向がありました。

 EQ能力が高いリーダーは

 ・やりがいを与える

 ・信頼関係をつくる

 ・連帯感を高める

 チームにこのような良い影響を与えます。

 リーダーが、自分の感情をコントロールし、思いやりを持ったサポートを行うことで、従業員はストレスが少なく、満足度が高い状態になります。

リーダーの感情

 リーダーには感情のコントロールが求められます。

 集団は感情が伝わっていきやすく、リーダーの気分は特に大きな影響を与えます。

 リーダーの気分がよいとメンバーの気分もよくなり、パフォーマンスが高くなります。もちろんその逆に、リーダーの気分がよくないと、パフォーマンスも低下する傾向があります。

 人はよかった出来事よりも、よくなかった出来事を強く覚えている傾向があります。そのため、リーダーが怒っていたときの出来事は思い出しやすくなります。

 リーダーの感情は組織に様々な影響を与えていることがわかります。

EQ能力を高めるためには?

 このように重要なEQ能力ですが、この能力を高める方法はあるのでしょうか?

 共通する方法として「自分の行動が、他者の感情にどのように影響を与えるか?」と考えることです。

 このように考えることで「自己認識」と「共感」の能力を高めていくことができるようになります。

 

 「共感」の能力を高めていくためには「感情の理由を考える」という方法もあります。

 嫌な気分になったときのことを思い出し、「何があの嫌な気分を引きおこしたのだろうか?」と考えます。

 逆に、良い気分になったことを思い出して同じようにやっても効果があります。

 「自己管理」の能力を高めていく方法としては「視点を変える」というものがあります。

 何か起きたときに「原因はこれだ!」とすぐに断定せずに、「問題は複雑な原因で起きているのだから、他の原因や他の見方はないか?」と考えるようにすることで、感情のバランスを取り戻し、冷静に考えることができるようになっていきます。

EQとチーム

 優れたチームを作るために必要な要素には何があるのでしょうか?

 優秀なメンバーを集めていくことで必ず優秀なチームを作ることができるかというとそうとは限りません。

 チームがうまくいくポイントは、誰がチームにいるかではなく「メンバーがそれぞれどう協力しているか」です。

 その中でも最も重要な要素は「心理的安全性」でした。

 うまくいくグループ内では、間違いを認め、次の対応策を提案しあうことができ、活用できていることが多くありました。チーム内で安心して発言をして活動をすることができるという自信があることで帰属意識が高まり、重要な内容でも共有できるようになります。

 

 さらに、チームとしての「規範」を持っているかどうかもグループがうまくいくかどうかを左右していました。

 様々な規範のうち、うまくいくチームの規範には3つの特徴がみられました。

1 助け合う

 チームのメンバーについてお互いがよく知ることによって、お互いの関わり方がわかっている。

2 お互いが敬意を持って、意見を求め、努力を認める

 規範をやぶったり、チームの足をひっぱったりするメンバーに向き合う。

3 ほかの組織について理解をする

 ほかのチームがどのような状況か、自分たちの活動がどのような影響を与えるのか。

 

 このような特徴が、最も成功しているチームに見られていました。

効果的なEQトレーニングとは?

 それではEQトレーニングを効果的に行う方法はあるのでしょうか?

 よいEQトレーニングを行うためには、5つの要素があります。

1 意欲的な受講者

 EQを高めるためには時間がかかるため、意欲がなければ効果があらわれる前に脱落してしまいます。

2 回数を分け、さらに時間を多くとる

 トレーニングの時間と量は多いほど効果が高くなります。

3 持続的な強化

 フィードバックをうけながら練習を繰り返し、トレーニング期間が終了してもなお長く練習を続けることが大切です。

4 周囲のサポート

 周囲に支えられているという感覚が大切になります。

5 幹部の参加

 幹部がトレーニングに参加することにより「トレーニングの重要性」が全体に伝わります。

 トレーニングの例としては次のようなものがあります。

トレーニング名:意図的な変容

ステップ1

 理想の自分を思い描き 「これからの5年でどう変わりたいか?」を考える。

ステップ2

 現在の強みと弱みを理解する。

ステップ3

 理想の自分に対して、自分の強みと弱みを照らし合わせて、どのEQを高める必要があるかを認識する。

ステップ4

 学んだ行動が自然にできるようになるまで繰り返す。

 考えてできるのではなく、習慣としてできるようになるまで繰り返していきます。

 最初からEQ能力が高い人をチームに加えることができればよいのですが、なかなか難しいことではあります。

 そのため、チーム全体としてEQのトレーニングを行なっていくことで、チーム全体と個々のEQ能力を高め、最終的な組織全体での成功につなげていけるようになります。

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