自信の核心5
前回は目標の達成に関して学んでいきました。それでは、前回の確認をしておきたいと思います。
1 目標を達成するチャンスを増やすためには( )を明確にすることが大切です。
2 (1)を明確にすることは重要ですが、厳密な( )にしないことが重要です。
3 (1)にそって進み出したことを( )と考えるようにするとよいです。
回答例
1 価値 2 ルール 3 成功した
いかがでしたでしょうか?
それでは引き続き、ラス・ハリスさんの『自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる』で学んでいきたいと思います。
恐れとは?
「恐れ」ときくとどのように感じるでしょうか?
・恐れは悪いもの
・成功する人は恐れない
・恐れはジャマになるもの
このように「恐れ」はよくないものだと感じることが多いかと思います。
小さいころから「恐れ」を感じると不快な気分になるため、よくないものと認識されるようになっています。
しかし、実際には 「恐れ」は単なる不快な感情で、自分の行動の妨げにはならないものです。
自動運転と回避モード
人々は様々な感情に対して2種類の対応をすることが多くなっています。
・自動運転
感情が行動を支配しているような状態です。
怒りがあれば周囲に攻撃的になり、恐れが起きると逃げるという行動をとるようになります。
自動運転のときには、自分と今のむすびつきが弱くなり、価値にそった行動ができなくなってしまいます。
・回避
不快な感情があらわれたときには、感情をさけるための努力をしようとします。
他のことをして注意をそらす、困難な状況から手を引く、ポジティブに考える・・・など多くの方法で不快な感情から逃れようとします。
このような対応のどこが問題になるのでしょうか?
自動運転の時間が長ければ長いほど、自分をコントロールする力が落ちてしまい、自分で選択することが減っていきます。
その結果、感情のおもむくままに行動してしまうことが増えていくことになります。
回避についても問題点があります。
1 注意をそらす・・・感情から注意をそらすためにエネルギーと時間を費やすため、人生を充実させるエネルギーと時間がなくなってしまいます。
2 手を引く・・・困難に感じることを避け続けることで、やるべきことがたまり、重要な問題に対処できなくなり不安が大きくなってしまいます。
このように回避を続けることによって「価値」にそった人生を進むことが難しくなってしまいます。
恐れに対抗する手段
失敗をしたときに、どうすれば失敗から回復して立ち直ることができるのでしょうか?
それはなるべく早く再チャレンジすることです。
乗馬をする人が、一度落馬をすると強い恐怖を感じるようになります。
このとき、再度馬にのる期間が短い人ほどはやく自信を回復させました。一方で先延ばしをしていた人は恐怖心が大きくなり、再度馬に乗れなくなってしまうこともありました。
このように「恐れ」に対して接触し続けることは非常にポジティブな影響を与えることがわかっています。
しかし、接触し続けることが困難な「恐れ」もあります。そのようなときはどうすればよいのでしょうか?
感情を手なずける
強い感情があらわれたときに対処するにはどうすればよいのでしょうか?
その手順は以下の4STEPです。
1 感情に気が付く
体のどこで、どのように感じているかに注意をむけます。
2 感情を認める
「私は○○という感情に気がついた」「私に○○の感情があらわれた」とつぶやくことで、自分と感情が別のものであることに気が付くことができます。
3 感情の居場所を作る
深い呼吸をして、感情のある体の部分や周りに息を吹き込むイメージをもつことで、感情が自分の行動に与える影響をおさえることにつながります。
4 気づきを拡張する
自分の体へ注意をむけたまま、自分の周りの感覚へ意識をむけていきます。
拡張の注意点
さきほどの4つのSTEPの「気づきを拡張する」には注意点があります。
・感情を追い払おうとしない
あくまでも感情を「受け入れる」ことが目的です。
・我慢ではない
拡張の目的は「受け入れる」「認める」ことです。よくない感情に耐えるものではないことに注意が必要です。
・拡張の最終的な目標は「価値」にそった行動をとること
価値にそってチャレンジをするときに、不快な感情があらわれたとします。拡張によりその感情を受け入れて行動することで、価値にそって行動したという「成功」を達成することができるようになります。
不快な感情の活用方法
不快な感情を活用するための3STEPがあります。
1 感情を受け入れる
2 感情と友達になる
感情が自分のところにやってきた友人のように話しかけてみます。
3 感情を信頼し協力する
感情は何か理由を持ってやってきます。不快な感情は「今は困難な状況だ」と自分に伝えようとやってきます。
今解決しなければならないことを持ってやってきた感情と協力して、必要な行動をとれるようにします。
感情とは戦うものではなく、受け入れて必要な行動をとれるようにしていくものということです。
