解決できない問題から抜け出す方法4
引き続きリフレーミングについて学んでいきたいと思います。それでは前回の確認をしておきたいと思います。
1 問題を見直すときに、はじめは( )を見るように心がけることが大切です。
2 人は自分の( )な分野でものごとをみる傾向があります。
3 問題について見るとき、( )で起きたことを原因と考えやすくなります。
4 原因と結果について考えているときは、( )て影響を与えている存在があるのではないかと考えることが重要です。
5 目標をより( )範囲で考えるようにすることで、他の目標達成の方法があるのではないかと考えることができるようになります。
回答例
1 全体 2 得意 3 直近 4 隠れ 5 幅広い
いかがでしたでしょうか?それでは、引き続き今回もトーマス・ウェデル=ウェデルスボルグさんの「解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法」で思考法について学んでいきたいと思います。
ポジティブな例外を探す
問題の解決方法を解決したいと考えているときには、「まず問題が起きた原因は何か?」について分析していくことが多くなります。
原因をつきとめて、「原因を取り除くようにするにはどうすればよいか?」と思考していきます。
これとは逆の方法があります。それが「問題が起きなかったのはどのようなときか?」について分析することです。
問題が起きなかった状況が分かれば、問題が起きない状況を作っていくことで問題をふせぐことができるようになります。
このような問題が起きていない場所のことを「ブライトスポット」とよびます。
ブライトスポットを探すためには?
問題が起きたことよりも、起きていない状況を探すことは難しいです。起きたことは目立ちますが、起きていないことは見えないからです。
このようなブライトスポットを探すためのポイントが4つあります。
①過去に解決している問題ではないか?
・過去から例外すぎない例外を探す
日常生活の中で問題が起きなかった場面を探します。非日常で起きなかった場面は再現しにくいからです。
・すごくうまくいった例外を探す
問題が起きない場面だけではなく、すごく順調に進んだ場面も探します。
・問題が起きても気にならなかった場面を探す
問題が起きても気にならないレベルに抑えられた状況を探します。
旅行先のホテルを評価し、その評価が高くなるのは「ミスがあったとしても、迅速にしっかりとスタッフが対応したとき」だそうです。
ミスがあったとしても、ミスのレベルを下げることができる状況が分かっていることで今後の対応や心構えについて準備することができます。
②集団内にポジティブな例外はいないか?
同じようにやっているはずであるのに、問題が起きない人や、順調に進んでいる人がいればその方法を取り入れることで効果的な対処法がみえてきます。
③同じ種類の問題に対処している人はいないか?
問題の細部は異なっているが、おおまかには似たタイプの問題に対処しているということがあります。
はじめは問題の細部に注目し、問題の特徴が何かを理解します。そして、段々と問題の視野を広げていきます。
具体的な細部を、抽象的なものに広げていくことで「同じタイプの問題だ」と気が付くことができます。
④問題を広い範囲で共有する
問題を共有することで解決できる方法が見つかる場合があります。
普段は違う分野の人であるからこその視点が見つかることがあるからです。
共有するときのポイントは
・専門用語をさける
・問題を解決することが重要な理由を説明する
・解決策は細かく指定しない
この3点に注意して問題を共有することで、それぞれの分野ならではの見方が分かることがあります。
問題に自分はどのように関わっているか?
問題について考えているとき、ついつい忘れがちになることがあります。
それは「自分自身が問題にどのように関わっているか?」という視点です。
問題が起きたときには、なるべく自分は関わっていたくないものです。そのため、自分がどのように関わっているかという視点がぬけがちになります。
それでは、自分自身を知るための3つのポイントを確認していきたいと思います。
①自分自身が加担している内容を探す
問題が発生したときに「自分自身の言動が少しでも影響しているのではないか?」と考えるようにします。
ただ、気持ち的には非常につらく感じます。そこで、このときのポイントとしては「責任があるのは?」と考えないようにすることです。
あくまでも「加担」であってどのように関わったかだけをとりあげるようにします。そうすれば、「関わり方を変えることで良い結果を導くことができるか?」と前向きな考え方ができるようになります。
②問題を個人のレベルまでスケールダウンする
どんなに大きな問題であっても、「個人のレベルでできること」というものが存在します。
部分的なレベルであっても個人で解決できることがあるということを知っておくことは重要になります。
③自分自身を外から見る
自分自身を見るときには2種類の方法があります
・自分の内面から見る
価値観、目標、思考、気持ちに耳を傾けて自分自身の感情を理解することです。
・自分を外面から見る
他人から見た自分を理解することです。言いかえると、自分の言動によってまわりにどのような影響があるかを理解することです。
相手の視点に立つ
人はもともと他の人々の見方を理解することが得意ではありません。しかし、他の人々を理解する力は改善することができます。
相手の視点に立つためのポイントを3つ紹介していきます。
①「とにかく相手の視点に立つ!」と決めること
相手の視点に立つことは難しい・・・というよりも実際には相手の視点に立とうとしていないことが多くあります。
自分のことを考えるだけでも大変ですので、相手のことまで・・・となると難しいのは当然です。
そこで、そのとき解決したい問題の「関係者を1人」設定するようにします。
そうすることで、「この関係者1人がどのように考えるか?」というきっかけが生まれます。
②自分自身の感情からぬけだす
何かを人にすすめるときに「自分の感情」を基準にして相手へすすめることがあります。
しかし、みんなが自分と同じような気持ちになるとは限りません。そこで自分自身の感情ではなく、相手の感情を考えるようにする必要があります。
相手の感情を考えるときのポイントは
・最初の推測でやめずに、もう一つ先の推測をする
自分で考えたことは、正しく感じます。そこで「もう一歩先により正しい考えがあるのではないか?」と先にすすむことができると、よりよい結果を得られるようになります。
・相手の感情だけではなく背景まで探る
相手の感情を理解しようとするときには「感情」だけに注目するのではなく「感情の背景」まで考えるようにします。
相手と自分は全く同じではなく、知っていることや今置かれている状況はそれぞれ異なっていることを配慮する必要があります。
・自分自身の視点から離れるようにうながす
自分自身の視点をゼロにすることは難しいです。そこで「相手と自分の考え方は違うので、相手の考え方を理解することだけに専念しよう」と考えるだけでも、自分の視点を離れ、相手の視点に近づくことができます。
③合理的な説明
自分にとって不都合なできごとがあると「なぜこのような作りにしたのか!?」とイライラすることがあります。
このような状況にあるときに「このような状況になっているのは善意によるものだ」という視点から出発することで理解できることがあります。
人は基本的に「自分が考えていることは正しい」と認識するので、「自分にとって不都合なこと=他人の悪意や失敗」ととらえがちです。
相手を理解するためには「相手がこちらのためを思って行動してくれている可能性は?」という視点を一度持つことが大切です。
