自己認識攻略法8
今回は早速、ターシャ・ユーリックさんの『インサイト』で自己認識について学んでいきたいと思います。
リーダーの自己認識
個人だけではなく、組織が自己認識を持つことができると様々なよい効果が期待できます。
組織が自己認識を持つために必要になるのは「リーダーの自己認識」になります。
実際にうまくいっている組織は、リーダーが自己認識をもつことで組織全体へ広がっていきます。
これにより、組織内で起きている「よくないこと」を組織全体が認識して対処することができるようになります。
自己認識を持つ組織
自己認識を持つチームは、5つのポイントを定期的にチェックして、問題があれば対処しています。
1 目的
何を達成しようとしているか
2 進歩
目的にむけた進歩がどうなっているか
3 プロセス
どのように目的を実現させるか
4 前提
自分たちの事業や環境について理解しているか
5 個々の貢献
メンバーがチームのパフォーマンスにどのような影響を与えているか
これら5つを定期的にチェックすることで、組織としての自己認識を高めることができます。
その結果、効率よく成果をあげ、革新的な取り組みができる傾向があらわれます。
リーダーがもたらす「チームの自己認識」
チームとしての自己認識は、個人が自己認識を持つだけではなく、リーダーが中心となる必要があります。
どのようなリーダーがチームとしての自己認識を作ることができるのでしょうか?
チームの自己認識をもたらすためには3つポイントがあります。
1 手本を示すリーダーがいる
2 心理的安全性がある
3 継続的にとりくんでいる
それぞれについてみていきたいと思います。
1 手本を示すリーダー
リーダーが手本を示すためには
・行動指針を伝える
・行動指針にそった行動をとる
この2つが必要です。このようにふるまうことできるリーダーシップを「オーセンティック・リーダーシップ」とよびます。
このようなリーダーシップは、より生産性が高くなるということがわかっています。
理由としては、示された行動指針にそった行動をとっているリーダーに対しては、メンバーが「正直に話をしても大丈夫だし、正直に話すことが求められている」と感じるためだと考えられます。
2 心理的安全性がある
パフォーマンスが高いチームと、パフォーマンスが低いチームを比較したときに、パフォーマンスが「低い」チームの方がミスが少なくなる傾向があるということがわかっています。
一度見ると「逆ではないか?」と思うかもしれませんが、パフォーマンスが「低い」チームの方がミスが少なくなることが多いのです。
その理由としては、パフォーマンスが低いチームの方がミスを報告しないからです。ミスを報告したあとのことが不安で、ミスを報告できなくなります。これにより同じようなミスが何度も起きてしまうのです。
パフォーマンスが高いチームでは、ミスが発生したときに安心して報告できるため、ミスを全体で改善して、同じミスが起きないようになります。これによりパフォーマンスが高くなっているということになります。
心理的安全性のためには「リーダーが弱さを見せる」ことも大切になります。リーダーが正直に自分の弱さを見せることにより、チームのメンバーも正直に話すことができるようになっていきます。
3 継続的な取り組み
安心して指摘ができる組織を維持するためには続けることが大切です。
いくら「組織の問題点を批判しても大丈夫ですよ」と伝えたとしても、一度でもその約束がやぶられてしまうと、次からの発言が慎重になってしまいます。
また、様々な指摘を受けたとしても、そのままになってしまうこともあります。
せっかく指摘を受けたのですから「解決策」を探し出して実行するところまでを続けることが大切になります。
