今度こそ!スキルを磨く法則4
前回は、スキルを広げるための方法を学んでいきました。それでは前回の内容を確認していきたいと思います。
1 学習したスキルが他の能力に影響を与えるのは( )がある場合です。
2 多くの( )を知っていくことで、知っている( )を他に広げられる可能性が高くなります。
【( )には同じ言葉が入ります。】
3 多様性を持たせるためには、練習内容を( )て行うようにします。
4 学習内容をテストするときには( )に行うことが効果的です。
5 内容の質に影響を与えるものは( )です。
回答例
1 共通点 2 例 3 混ぜ 4 混ぜ 5 量
いかがでしたでしょうか?スコット・H・ヤングさんの『どんなスキルでも最速で磨く「マスタリーの法則」』で上達への最善の進め方を学んでいきたいと思います。
専門家の意見が常に正しいとは限らない
様々な分野に専門家は存在します。専門家はその分野に非常に詳しい存在であることは間違いありません。しかし、専門家であっても完全に予測できるとはかぎりません。
心理学や社会学の実験において、「専門家の経験による判断」と「単純な数式」を比較してどちらの方が正しい判断をするか確認したところ、同じか数式の方が上回っているということがありました。
専門家は、単純な数式とちがって「特定の要因」について重く感じとることがあり、これによって正確さが低くなることがあるようです。
数式の場合は「数値」だけに注目するため、特定の要素を重くみたり重要視したりすることがないため、差が生まれにくくなるようです。
直感的な判断が熟練したものになるためには?
直感がすぐれたものになるためには、何か条件があるのでしょうか?
1つめの条件は
「十分な手がかりがあること」
2つめの条件は
「人々が手がかりを学習する機会を持つこと」
この2つの条件を満たしているときに、直感がすぐれた道具になることがあります。
専門家であっても、手がかりが弱ければ予測の精度が低くなります。弱い手がかりがたくさんあったとしてもやはり精度は低くなります。
手がかりが弱いと「統計」に頼る方が精度が高くなるということになります。
判断力を高めるためには「専門分野であったとしても、直感には限界があり、データに頼った方がよい」という認識を持っておく必要があります。
すぐれた予測をするためには?
それでも中には、すぐれた予測ができる人々がいます。その人たちと、そうでない人たちとの違いはどのようなところにあるのでしょうか?
優れた予測者の特徴として「複数の矛盾した視点を統合できる」という点があります。
予測の精度が低い人は、複雑な状況であっても「単純な世界に当てはめて」ものごとを考えてしまう傾向がありました。部分的に当てはまる内容を見つけて、「以前に経験したものと同じだ」と考えて予測しても、他の状況が違っていれば結果は以前と変わったものになってしまいます。
優れた予測者の戦略とは?
それでは、優れた予測者の戦略はどのようなものだったのでしょうか?
1 小さく分割して判断する
判断するときに、答えるべき質問を「似ている答えやすい質問」に置き換えて答えてしまうことがあります。
質問されたことを「複数の部分」に分解することで、答えやすい別の質問に変えてしまわないようにする傾向がありました。
2 基準を持っている
「単純な数式」が専門家の判断を上回るのは、特定の情報を過大評価したり過小評価したりすることがないためでした。
そこで、判断する内容と同種のできごとが発生する確率を知ることで適切な範囲での予測が可能になります。
3 グループをつくる
予測をするにあたって、個人よりグループの方がよい結果を残す傾向がありました。
特に、グループ内で議論をして情報を共有できる場合は、より多くの視点から見ることができ、1つの視点から結論を出してしまうことをふせぐことができます。
4 具体的な記録を残しておく
記録をしておかなければ、人の記憶は実際に起きたことを自分に都合のよいように変えてしまいます。
具体的な記録を残しておくことで、判断に対してよかったか、よくなかったかを正確に振り返ることができるようになります。
正確に振り返ることができれば、次以降の予測に役立てることができます。
