自分を変える勇気を手に入れる方法5
みんなでクリエイティブになるために「チームの創造性を引き出す工夫」
「うちのチーム、もっとクリエイティブになれたらいいのに」そう感じたことはありませんか?
実際、多くの人は創造性の大切さを口では理解しています。しかし、実際に新しいアイデアを出したり、リスクをとってチャレンジすることは難しいことがあります。
なぜなら——
- 新しい方法がうまくいくと心から信じていない
- 変化に対する抵抗感がある
- 実践できるほどアイデアを理解できていない
つまり、「やってみよう」と思えるだけの自信や安心感がないのです。
では、その自信はどうやって育てるのでしょうか?
今回は、トム・ケリーさん、デイヴィッド・ケリーさんの『クリエイティブ・マインドセット 創造力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法』で創造性を引き出すための方法について学んでいきたいと思います。
創造力に自信を持つには「指導付きの習熟」が必要
ある企業での事例を紹介しましょう。
新しいアイデア創出のためのワークショップを企画したところ、最初は誰もアイデアを出したがらなかったそうです。
そこで、司会者が「このアイデアを否定しないで、可能性を広げてみよう」と声をかけ、さらに「小さな成功体験を積ませる」ステップを加えたところ、徐々にみんなが積極的になっていったのです。
これが「指導付きの習熟」です。
小さなステップで、安心して挑戦できる環境があれば、人は自然とクリエイティブになります。
チームにイノベーション文化を根づかせるには?
創造的なチーム文化を育むためには、以下のような要素が大切です。
- ユーモアのセンス:冗談が言える雰囲気は安心感につながる
- 上下関係をなくす:上司も「一緒に考える仲間」となること
- 仲間意識を育てる:小さな目標を一緒に達成する経験が効果的
- 他の人のエネルギーを利用する:1人よりも2人、2人よりも3人
- 評価を急がない:まずは自由に考える時間を持つ
たとえば、ある広告代理店では、週に1回「評価しないでアイデアを出しあう時間」を設けています。
出たアイデアに「良い・悪い」を言わないよにします。
そして、「それ面白いね、もっと広げるとしたら?」というルールを設けることで、思わぬ発想が生まれることもあるそうです。
アイデアを否定せず、育てる姿勢が大切
誰かのアイデアにピンとこないとき、つい「それは無理だよ」と言ってしまうことがあります。
しかし、無理だと考えることが、せっかくの創造の芽をつぶしてしまうかもしれません。
そんなときは、こう考えてみましょう。
- どうすればもっと良くなるだろう?
- このアイデアから他のアイデアを生み出せないか?
たとえば、ある企業では、「ダメ出し禁止ルール」を設けています。
どんなアイデアも一度受け止めて、「じゃあこれをもっと面白くするには?」と考える時間を設けるのです。
その結果、自由にアイデアを言い合うことができ、さらにそのアイデアを発展させることにつながりました。
チームの創造性を高める具体的なアクション
- お互いの強みを知る
── 得意分野を共有することで補完関係が生まれる - 多様性を活かす
── 異なる価値観や経験が、新しい視点を生む - プライベートも知ってもらう
── 仕事外の一面を知ることで、距離が縮まる - 楽しみを共有する
── ランチやオフ会など、リラックスした場でつながる
また、職場のスペースも重要です。
1人の時間も保てるけれど、ふとした会話がしやすい距離感。
音のプライバシーも守れるよう、可動式の仕切りを使うという工夫も効果的です。
言葉を変えると、考え方と行動が変わる
「無理」ではなく「どうすればできるか」
「できない」ではなく「○○ならできるかも」
たとえば、あるプロジェクトで「このスケジュールじゃ無理」と言われた時、「何かを削ればできるかもしれない」「他の人たちに協力してもらえる方法は?」と問い直すことで、実現に近づいた例があります。
「プロトタイプ思考」で失敗を恐れない
創造性の最大の敵は、「失敗への恐れ」です。
だからこそ、すべてを「試作品(プロトタイプ)」と考えてみる。
「うまくいったらラッキー」くらいの気持ちで、どんどん試して、壊して、また作っていく。
その繰り返しが、結果的に「うまくいく方法」を見つける近道になるのです。
建設的なフィードバックのコツ
- 「良いと思う点は○○」で相手を認める
- 「希望を言うとすれば○○」で改善点を伝える
この「褒め+提案」のスタイルは、チームの雰囲気を壊さず、成長のきっかけをつくってくれます。
楽しんでいるときこそ、最高の成果が生まれる
ある飲食店企業では、「とにかく楽しむこと」を合言葉にして、商品開発をしています。
試作をみんなで食べながら、笑いながらアイデアを出し合う。
結果、ユニークで人気のある商品が次々と生まれているそうです。
一歩目を踏み出すために
創造性を発揮するのに、特別な才能はいりません。
必要なのは「やってみようかな」と思える小さな一歩です。
- 今あるやり方を少し変えてみる
- そのうちやろうと思っていたことに、今日取り組んでみる
- まずは簡単にできることから始める
少しずつ行動を変えていけば、創造力への自信も育っていきます。
創造力の源は行動すること
創造性とは、「正解を出すこと」ではなく、「問いを投げかけ続ける力」です。
チーム全体でその力を育てていくには、安心できる環境と、小さな挑戦の積み重ねが欠かせません。
考えることに加えて、一歩行動をすることが大切です。
