数字に10倍強くなる3
前回では
1 比較するときには、ほどよい( )をみつける。
2 ( )倍が一番伝わりやすい。
3 ( )的なものに変換する。
4 ( )の方法で数字をみる。
このようなことを学んでいきました。
回答例は
1 尺度 2 1 3 具体 4 他
です。それでは、引き続き、チップ・ヒースさん、カーラ・スターさんの『数字の翻訳』で学んでいきたいと思います。
○○を小さく
日本の人口は約1億2400万人です。
東京都の人口は約1400万人です。
(2023年10月時点の人口で表しています。『日本国勢図会2024/2025』)
「1億2400万人のうち、東京都民は1400万人です」
と言われたとします。
「多いな〜」と思いますが、イメージしにくく感じるかもしれません。
このような場合、分母を小さくすることが効果的です。
たとえば「100人に11人は東京都民です」
このような表現によって、「身近にいそう」と感じます。これにより多さが伝わりやすくなります。
○○対象を作る。
「日本人のうち、100人中11人は東京都民です」と言われると、
身近にいそうとは感じますが、「多いな」とまでは思わないという場合もあります。
そのようなときのために比較対象を作ることで伝わりやすくなります。
「日本人のうち、1000人中6人は佐賀県民です。」
このように比較対象を作ります。
さらに、比較対象との分母をそろえて
「佐賀県民は1000人中6人です。東京都民は1000人中110人です。」
このように分母をそろえることで比較しやすくするとより伝わりやすくなります。
データを○○で表現する
さらにイメージを伝えるための工夫として、数字を動詞で表現する方法があります。
たとえば、人数を「くじを引く」という動詞で表現してみるとします。
日本人全員の名前が書いてある紙でくじ引きをします。
・およそ10回に1回は東京都民の名前がでてきます。
・およそ250回に1回は鳥取県民の名前がでてきます。
このようにすると、実際にくじ引きをしている自分の姿を想像することができます。
そして、(東京都民は10回引くとでるが、鳥取県民の場合は250回も引くことになるのか・・・大変そうだな)という感情がうかんできます。
すると、日本における東京都の人口の多さが伝わりやすくなります。
○○○○○を利用してダメ押しする。
日本のりんご生産量の上位5都道府県は以下のようになっています。
1位 青森県 439000t(59.6%)
2位 長野県 132600t(18.0%)
3位 岩手県 47900t(6.5%)
4位 山形県 41200t(5.6%)
5位 福島県 23700t(3.2%)
全国 737100t
(『日本国勢図会2024/2025』より)
これを
・分母を小さく
・比較対象を作る
・データを動詞で表す
という方法で表現してみるとどうなるでしょうか。
たとえば、以下のように表現できます。
・1年(365日)で1日1個りんごを食べることにしました。
・12日間は福島県産
・20日間は山形県産
・24日間は岩手県産
・66日間は長野県産
・25日間はその他の都道府県のりんごを食べました。
・残り218日間は青森県産のりんごを食べました。
・分母 1年(365日)という小さくイメージしやすいものに変換
・比較 青森県とそれ以外の都道府県で比較
・動詞 食べるという動詞を使用
・2位〜5位の日数を出して、最後にアンコールで青森県の日数を出す
これにより、青森県の生産量の多さを目立たせることができます。
ちなみに・・・
「218日間」をより伝わりやすくするためにはどうすればよいでしょうか?
たとえば「1」に注目してもよいかもしれません。
「1ヶ月に18個、青森県産のりんごを食べました。」
「1週間で4個、青森県産のりんごを食べました。」
このように表現すると
(月の半分以上、週の半分以上も青森県のりんごを食べることになるのか!多いな!)
と想像しやすくなります。
