組織の人数が成長を阻む2
前回は、組織の人数による影響について学んでいきました。
1 自分の人生に大きな影響を与えている人数は( )人
2 グループが機能する人数の分岐点は( )人
3 少人数グループとして、適性だと考えられる人数は( )人
さて、それぞれの人数は何人でしょうか?
回答例
1 15(人) 2 150(人) 3 5(人)
それでは引き続き、トレイシー・カミレッリさん、サマンサ・ロッキーさん、ロビン・ダンバーさんの『「組織と人数」の絶対法則』で、集団における人数の影響について学んでいこうと思います。
組織において必要な○○意識
全国展開しているお店には共通点があります。
たとえば、
・見た目が同じよう
・メニューがほぼ同じ
・しくみが同じ
同じ看板で、同じものを取り扱い、同じしくみで運営する。
これにより「いつ、どこで行っても同じ体験ができる安心感」が生まれます。
この安心感がもう一度行こうという気持ちにさせてくれます。
組織にも、安心してその場にいることができる「帰属意識」が大切です。
・自分はここにいてもいい
・自分は周囲に歓迎されている
・すべての人の意見が尊重されている
このような気持ちによって、安心して組織で活動することができます。
メンバーの帰属意識が高い場合、組織としての生産性が高まり、イノベーションが生まれやすくなる傾向がみられます。
テレワーク化が進み、在宅勤務が可能になりました。しかし、そのような中で、世界でも有名な企業が「会社にくることを求める」という話がありました。
これは「帰属意識」を高める必要があると感じてのことなのかもしれません。
成績の向上には○○よりも○○
組織は150人をこえると、分裂がおきて不安定な状態になってしまうことがあります。
それは、自然に人間関係を形成できる限界数が約150人だからです。
人は同じことをやっていたとしても、「知っている人」がしているのか、「知らない人」がしているのかで受ける反応が変わります。
「知っている人」に対しては寛容になりますが、「知らない人」には厳しくなります。
150人規模の組織であると、お互いを「知っている」というように感じることができます。150人をこえてしまうと「知らない」が増えてしまいます。
その結果、お互いに助けあう機会が減り、生産性が下がってしまうことにつながります。
組織としては集団の絆を作る必要がでてきます。
では、どのようにすると絆を作っていくことができるのでしょうか?
一言でいうと「同じ体験をする」ということです。
・笑う
・歌う
・食事をとる
など同じ体験をすることで絆が生まれます。
このことで、お互いに寛容になり、協力しあうようになっていきます。
現在は「個」の力が重要とされ、みんなに同じことをさせるのは「個」を大切にしていないということで、減っていく傾向があります。
しかし、成長にとって「競争よりも協力」が大切ということがあります。
実際に
A:競争を重視させたクラス
B:一緒に遊ぶ時間をとったクラス
を作って学力テストをするという実験が行われました。
すると、Bのクラスの方が優秀な成績をおさめたという結果がみられました。
まだ、実験の数が少ないようですが、テスト結果に悪影響を与えそうな「遊ぶ」という時間をクラスでとったにもかかわらず、クラス全体の成績がよかった点は驚きです。
「個」だけではなく「集団」の力にも注目する必要があるのかもしれませんね。
