「変化を嫌う人」を動かす方法4
変化への抵抗の特徴として、これまで
「惰性」・「労力」・「感情」についてみていきました。
前回、「心理的反発」についてもみていくつもりでしたが、間に合いませんでした・・・
今度こそ、ロレン・ノードグレンさん、デイヴィット・ションタルさんの『「変化を嫌う人」を動かす』で学んでいきたいと思います。
心理的反発とは
人は変化を強制されることを嫌がります。どんなに良い効果が見込まれることであってもです。
強制されていると感じると、人はその変化を「侵入者」と考えるようになり、抵抗するようになります。
人は自分のいる環境の中で、ある程度の自由を求めます。そのため、自由を厳しく制限されるほど反発が強くなっていきます。
自分の意見について、反対のデータを聞かされたとします。この場合、意見を変えるのではなく、データが間違っていると考えるようになります。
そのくらい心理的反発は強いものです。
心理的反発が起きるとき
1 自分の信念が変わってしまうようなとき
2 変化へのプレッシャーを感じるとき
罰則や処分、時間制限などもプレッシャーの一因となります。
3 全体の意見がなく、一部だけの意見だと感じるとき
意見を求められることも、意見に耳を傾けることもない場合などです。
では、この心理的反発が起きないようにするためにはどうすればよいのでしょうか?
無理に変化を求めない。
無理に変化させるのではなく、自分から変化するように思わせることです。
何をすべきか指示をする、変化におけるメリットを説明するなどをしても「変化させようとしている」と感じて反発が起きます。
自分から変化しようと思うことは非常に効果的です。
何かをやめたいグループがあったとします。このグループを2つに分けます。
A:やめるメリットを「話す」グループ
B:やめるメリットを「聞く」グループ
同じように「やめたい」と思っている人たちが集まっているのですが、Aグループの方がたくさんやめることに成功しました。
これは「自分から」やめるメリットを話していることがポイントです。同じ内容でもBグループは「聞かされている」ことになり、やめることにつながりませんでした。
心理的反発への具体策
・メモ書きと反省
自分の目標を書いて発表する。
達成できれば次の目標を
達成できなかった場合は、その原因と対策をそれぞれ考える。
・全員参加で行う
運用していくルールなどは、全員の意見をきいて取り入れていく。
ルールをともに作ったメンバーの関係もよくなり、さらなる工夫をしていく協力的な姿勢がみられるようになった。
自己説得のポイントは?
自己説得の効果を高める方法はあるのでしょうか?
1 「意見がある人は言ってください」方式は難しい
一番労力がかからない「何も言わない」という選択肢をとることが多い。
2 参加者に、発表してもらう
意見を表明してもらうことにより、「守らなければ」という気持ちが内側からでてくることになります。
3 実際に参加してもらう
代表者に意見を伝えてもらうという形であると「自己説得」になりません。
心理的反発のチェックポイント
以下の質問にチェックが入る場合は、心理的反発が起きる可能性が高くなります。
□ アイデアが、人の信念を変える可能性がある
□ 自分のアイデアを人に強制している
□ 少ない人数でアイデアを作った
