「変わるもの」ではなく「変わらないもの」2
前回の内容を振り返っておきたいと思います。
1 想像できる限りの問題に備えたあとにまだ残っているものこそ( )ととらえます。
2 どんなことが起きるかを予測するのは難しいので、( )ことに注力することが大切です。
3 ( )が大きくなっていることに気が付かなければ、幸せを感じることができなくなってしまいます。
回答例
1 リスク 2 備える(準備する) 3 期待
それでは今回もモーガン・ハウセルさんの『この不確実な世界で成功する人生戦略の立て方』で学んでいきたいと思います。
物語は強い
最高のアイデアよりも、正しいアイデアよりも強いものがあります。それが「物語」です。
人は感情によって動くものですので、「完璧なデータ」や「強力な証拠」よりも「物語」のほうが説得力を持つようになります。
優れた物語のポイントは
1 複雑なことをわかりやすく伝えている
2 真実だと信じたいものを説明している
3 人々の気持ちを1点に向かわせている(共通の感情が伝わるようにする)
4 今まで見逃していた可能性に気がつかせる
→「やり方をかえるよりも、考え方をかえる」「何を言うかより、どう言うか」
数値化は大切だが
世の中には数字ではかることができるものと、できないものがあります。問題は数字で示すことができないもの、つまり「数値化」できないものを軽視してしまうということです。
たとえば、ものの価値というものは何で決まるのでしょうか?数が少ない、めずらしいものは価値が高くなる・・・のですが価値を決めるために重要な点は「人が欲しいと思うかどうか」というところにあります。
人がどの程度欲しいと感じているかは数字にはできませんが、価値を決めるにあたっては非常に重要な要素です。
このように、人の感情があらゆることに影響を与えているということは理解しておく必要があります。
安定から不安定が生まれる
「歴史を学んでいなければ、すべてが前例のないものに見える」
人は安定してものごとが進んでいるときは、備えることを忘れていく傾向があります。忘れていたところに不安定がやってくると大きな衝撃を受けてしまいます。前例について知っていることで、不安定な状態に入っても衝撃をおさえることができます。
最適なサイズがある
人は良いものや、良い方法を見つけると、「早く欲しい」「もっと欲しい」と考えるようになります。しかし、ものごとには「適切なはやさ」や「適切な規模」というものがあり、それを超えてしまうと逆に悪い影響を与えることが多くなります。
動物や植物でも、急激に成長したものは寿命が短くなる傾向があると研究でわかっています。企業でも急激に店舗数を増やしたことで、従業員の教育が追いつかなくなり、顧客の満足度が低下して店舗数を減らしていってしまう・・・ということがあります。
適切なサイズの成長をするためには「忍耐」が必要です。「忍耐」の結果作り上げられたものは、他にはない「希少性」の高いものとなり価値を生み出すことにつながります。
大きな変化が生まれるとき
「危機」というと非常に怖い印象があります。しかし、「危機感」というものが人類を大きく変える機会を作ってきました。
平和なときは、そのおだやかさを維持するために大きな変化は起こりにくくなります。一方で、危機のときには、なんとかこの状況を変えなければいけないという意識が強くなるため変化が起きやすい状態になります。
大きな変化は、必要にせまられないと起きにくいものです。苦難を望んでいる人は少ないと思います。しかし、苦難は今起きている問題を解決しようという意識を刺激し、行動させる原動力になります。目的にむかって行動することで今と未来を充実させることにつながります。
「危機」が、自分自身を充実させることにつながると認識できるようになると、ものごとの捉え方が変わっていくことになります。
