「変わるもの」ではなく「変わらないもの」3
今回も前回の内容確認からはじめていきたいと思います。
1 「完璧なデータ」や「強力な証拠」よりも「( )」のほうが説得力を持っています。
2 数値化してものごとを判断するときでも、人の( )があらゆることに影響を与えていることを認識する必要があります。
3 ( )を知っておくことで、不安定な状態に入っても、うける衝撃をおさえることができます。
4 ( )は現状の問題を解決する原動力となり、自分自身を充実させることにつながります。
回答例
1 物語 2 感情 3 前例(歴史) 4 危機
それでは今回もモーガン・ハウセルさんの『この不確実な世界で成功する人生戦略の立て方』で学んでいきたいと思います。
悪いことは目立って見える
良いこと、重要なことは積み重ねで起きます。そのため時間がかかり、ときには気づかれないうちに起きていることがあります。
一方で、悪いことは一瞬にしておきることがあります。さらに、悪いことというのは良いことよりも目立ちます。なぜなら、悪いことというのは「実際に起きたこと」だからです。
良いことというのは時には「実際には起きていない」良いことがあります。たとえば事故に「あわなかった」というのは実際には起きていない良いことです。
実際に起きた悪いことを見て「世の中は良くないことばかり起きる」と感じてしまい、世の中では悲観論が多く出てくるようになります。
良いことは気がつかないうちに積み重なっていっていることを認識しておくことが大切です。
大きな変化が起きるには?
良い方向へも、悪い方向へも変化は起きます。どちらの変化についても、大きな変化には積み重ねが必要です。
気がつかないような小さなミスの積み重ねの先には大きなミスがあり、小さな成功の積み重ねの先には大きな成功があります。その一つ一つは見過ごされやすいものです。
進化に必要な「楽観と悲観」
楽観と悲観にはそれぞれ特徴があります。
・楽観
根拠があいまいであっても、きっとよくなると信じることがあらゆることに挑戦するための欠かせない要素になります。
・悲観
事前にリスクがあると想定できるため備えることができます。生きるために必要な要素になります。
楽観と悲観は対立する考え方にみえますが、両方が必要な要素です。悲観して備えながら、楽観して挑戦できるというのはバランスのとれた人生設計のポイントになります。
どちらか一方だけを選ばなければいけないと考えると、片方だけがよいと思ってしまいますが、「中間」という選択肢があることを忘れないようにしましょう。
ほどほどの強さ
「完璧」という言葉は非常に魅力的です。「完璧」を求めることこそが正しいと感じられ、成功するチャンスも広がりそうだと感じます。
しかし、すべてにおいて「完璧」というのは非常に難しいもので、何かの能力が「完璧」に近くなると、他の能力が犠牲になっていることが多いのです。
時間は非常に大切ですので、「1秒も時間を無駄にしない」ように効率的な生活を送ろうと努力する人もいます。しかし、ときには「時間を無駄にしたほうがよい」場合もあります。
仕事をしているときに「時間がなくて考えることができなかった」ということがあります。本来、「考える」ことが仕事であるにもかかわらず「考える時間」がないくらい忙しいという状態になっていることがあります。
完璧ではない、ほどほどの余裕を持つという意識が、うまくいくためには必要になります。
近道は危険
何事においても「コツ」があり、「より効率的な方法」を求めたくなります。同じ結果を出すことができるのであれば、労力は少ない方がより効率的だと言えます。
しかし、現実的に自分の求めるものを手に入れたい場合には「欲しいものに見合うだけの努力をする」ことが大切です。
世の中自体が不完全であるため、ある程度のがまんは必要になります。もちろんすべてにがまんをするのはよくありません。自分が追い求めることを手に入れるにあたり、何をどのくらいがまんすればよいかを見極められるというのは非常に重要なスキルになります。
