「エフェクチュエーション」チャレンジ
予測できないことに対して、どのように選択をしていけばよいのでしょうか?
よりよい選択というものは、特別な人しかできないものなのでしょうか?
この2つの問いに対して
「予測できないことに対して、どのような人でもよりよい選択ができるようになる方法」として「エフェクチュエーション」というものが注目されてきているそうです。
それでは今回から吉田満梨さん、中村龍太さんの『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』で学んでいきたいと思います。
エフェクチュエーションとは?
これまで「予測できないこと」があった場合には
・多くの情報を収集する
・情報を分析する
ことによって、不確実性を少しでも下げるようにしてきました。
この場合の問題点としては、これまで扱われていなかった新しい分野に関しては、情報収集や分析によってみえてこない部分があるということです。
エフェクチュエーションでは
・手持ちの資源を活用して何ができるか
・関係のありそうな人をまきこむ
この段階を繰り返して、「手持ちの資源」が広げていきます。
これによって、未来を予測して行動するのではなく、自分でコントロールできる活動で望ましい結果を得ようとします。
エフェクチュエーションの5つの原則
エフェクチュエーションには5つの原則があります。
原則1 手中の鳥の原則
既存の手段で何か新しいものを作る
原則2 許容可能な損失の原則
利益の最大化ではなく、損失が許容可能かに集中する
原則3 クレイジーキルトの原則
かかわりたいという意思がある人の全てと関係を作る
原則4 レモネードの原則
予期せぬ事態をさけるのではなく、活用する
原則5 飛行機のパイロットの原則
コントロール可能な活動に集中することで望む成果を得る
後々、それぞれについて学んでいきたいと思います。
「できない」理由の見方をかえる
今まで、やろうとしたけれども「できない」と感じてやらなかったことがあったかもしれません。
エフェクチュエーションの原則によって「できない」と思っていた理由の見方を変えることで、行動につなげることができます。
たとえば、
「やりたいことはあるけれども、どのようにすればよいかわからない」
という場合は、『原則1 手中の鳥』の考え方で、「今、自分が持っている資源で、可能なことをする」と考えることができるようになります。
「失敗したらどうしよう」
という場合は、『原則2 許容可能な損失の原則」の考え方で、「これくらいなら失敗しても大丈夫だと思えるくらい小さいことで実験してみよう」と考えることができます。
このように、エフェクチュエーションはチャンスを待つというよりは、「チャンスを作る」考え方ということになります。
機会は創造する
これまでも世の中に広まったものはたくさんあります。
広がり方の1つとして「このようなものがあったらいいな」という意見から、希望にあったものを作るという方法があります。この方法は今までよく行われてきたものです。
もう1つが「このようなものがあったとは!」というふうに思わせる方法です。
たとえばかつて「車」が存在せず、馬が重要な交通手段であったときには、人々は「もっとはやく移動したい」と思っていても「車がほしい」とはならず「もっと足のはやい馬がほしい」となったと想像できます。
そこに「車」が登場することで「このようなものがあったとは!」と人々は感じて広まっていくようになります。(こちらがエフェクチュエーションの考え方になります。)
どちらかの方がよいというのではなく、2種類の思考方法を使うことによってより創造性を高めることができるようになります。
