「自分を変える」「相手も変える」方法2
前回から行動科学について学んでいます。前回の内容を振り返っておきたいと思います。
1 新たな習慣をつくるときには、すでに習慣となっている行動の( )に目標となる行動をすることで習慣になりやすいです。
2 習慣にするためには、なるべく最初のステップを( )にすることが大切です。
3 あえて( )にすることによって行動をうながすことも可能です。
4 少しだけ( )くすることで、相手の記憶に残しやすくすることを産出効果とよびます。
回答例
1 あと 2 簡単 3 面倒 4 わかりにく
いかがでしたでしょうか?それでは今回もリチャード・ショットンさんの『自分で選んでいるつもり』で学んでいきたいと思います。
「韻」をふもう
詩などで「韻」をふむということがあります。「韻」をふむことによって内容が頭に入ってきやすくなり、信用されやすくなります。
これは、「情報処理がしやすい=真実味がある」と、とらえるためです。
韻をふむことによる効果はいくつかあります。
1 リズムがよくなる
リズムがよくなることで頭に入りやすくなり、信憑性がアップします。
2 記憶に残りやすくなる
リズムがよくなることで、記憶の残りやすさが2倍近くかわることもあります。
名前と見た目
名前はブランドイメージに大きな影響を与えます。
1 言いやすい名前のメリット
名前を言いやすいとき、「安全性が高い」と感じられる傾向があります。
2 言いにくい名前のメリット
言いにくい名前はリスクを感じる一方で「ワクワク感」を感じさせることができます。
どのようなイメージにしたいかによって名前を決めることが大切だとわかります。
また、名前そのものだけではなく、文字の「見た目」も重要です。
1 読みやすい文字
簡単そうに見えるので、「手軽に」取り組んで欲しいことを伝えたいときに有効です。
2 読みにくい文字
ていねいに作られ、価値が高いものだと感じさせることができます。
具体性
具体的なものは視覚的にイメージしやすいため、記憶に残りやすいという特徴があります。
そのため相手の印象に残したい場合は、抽象的なものではなく、なるべく具体的な表現にする方がよいことになります。
1 使い心地を想像させる
扱っている商品を、自分で使っているところを想像させることで、強く欲しいと感じさせることができます。
2 できる限り簡単にする
「難しく表現する」ことによって頭が良さそうに感じさせることを狙う場合があります。
実はそれは逆効果になります。
同じ内容を伝えたいのであれば、簡単な表現の方が作者のことを賢く感じる傾向があります。
そのため、具体的な表現を使用することによってシンプルに伝えるようにする方が頭が良さそうな印象を与えることになります。
細かさ
細かいところまで伝えることは信頼されやすくなります。
キリの悪い、細かい数字で伝えたときは「このような細かいところまで書いているのだから、自信があるのだろう」と感じます。
もし相手に「正確さ」を伝えたい場合は四捨五入や切り捨てをした数字ではなく、細かいところまで数字を伝えることが効果的です。
極端回避
人は極端な選択肢をさける傾向があります。
1 超高級価格の設定
人は真ん中を選びやすいという特徴があります。
この特徴に関しては商品の目的によって効果が異なる点があります。
商品が「実用的」なものである場合
→中間の選択肢を選ぶ傾向があります。
商品が「嗜好品」である場合
→中間の選択肢はあまり影響がなくなります。
嗜好品については
「欲しいものは高くても安くても欲しい!」
「いらないものは高くても安くてもいらない!」
このように考えるからだと推測されます。
2 順序に注意
人は最初に見たものを基準にします。「価格が高い」商品を最初に見ている方が高価格帯を選択しやすくなる傾向があります。
そのため、人が自然とものを見る流れに注意する必要があります。
・上から下へ 「高い → 安い」
・左から右へ 「高い → 安い」
このように配置することで購入金額の基準が高くなる傾向があらわれます。
3 おとり効果
人は複雑な判断をていねいにするより、単純な判断をすばやくする方が好きです。
そのため、選んで欲しいものがわかりやすく魅力的であることが伝わるようにしておくと効果的です。
たとえば、
商品1 10000円 機能A・B・C・D付
商品2 10000円 機能A付
このように提示することで、商品1の方を「こちらの方がよい」と判断して選択しやすくなります。
