わかっているのに間違えるワケ4

 早速ですが、アン・ウーキョンさんの『イェール大学集中講義 思考の穴』で認知心理学について学んでいきたいと思います。

エピソードの威力

 認知心理学では「事例」をたくさん活用する方が、説得力が高く、理解しやすく印象に残りやすいということがわかっているそうです。

 「具体的」な話は「抽象的」な話に比べて影響力が強く、頭に残りやすいということです。

 それだけに注意しなければいけない点もあります。

 それは、科学的に根拠がある話があったとしても、友人からの体験談の方が説得力を感じるということです。

エピソードが強い理由

 人の思考は「視覚・触覚・嗅覚・味覚・聴覚」で感じ取ったことに基づいて行われます。

 体験したことを通じて思考をするので、エピソードは強い影響力があると考えられます。

 逆にデータの影響力が小さい理由はあるのでしょうか?

データに動かされない理由

 データをきいても動かされない主な理由として「データを理解できないから」というものがあります。データによって正確な判断ができるようになるとすれば、よりよい選択ができるようになるはずです。

 そのために知っておく方がよいことが3つあります。

1 大数の法則

2 平均への回帰

3 ベイズの定理

この3つです。

1 大数の法則

 データは多いほど良いという意味です。

 しかし、この法則を忘れて1つのエピソードだけを信じて判断してしまうことがあります。

 

2 平均への回帰

 結果は最終的に平均的なものに落ち着くというものです。

 非常に調子が良かった選手が、中盤から調子を落として、終わってみれば普通の成績になっているということがあるのもこれの1種です。

 平均への回帰のことを忘れていると、「最初はあんなに調子が良かったのに、今は調子がよくない。きっと調子が良かったときに持ち上げられて調子にのってしまったのだ」のように勝手に判断してしまうことがでてきます。

 平均への回帰のことを知っておくことで、そのときのパフォーマンスを過剰に称賛したり、失敗を過剰に気にしたりすることが少なくなります。

3 ベイズの定理

 「AであるならばBである。BであるならばAである。」

 これだけでは何かわからないので具体的な文章を入れてみると

 「クマであるならば動物である。動物であるならばクマである。」

 さてこの文章を読んでどのように感じたでしょうか?

 「クマであるならば動物である」これは正しいと感じて、「動物であるならばクマである」はそうとは限らないのでは?と感じたのではないでしょうか。

 しかし、世の中では「AならばB」と「BならばA」は同じ確率で起きると勘違いしやすいようです。

 そのため。「A組の人が悪口を言っていた」という話を聞くと「悪口を言うならA組の人だ」と全員をひとくくりに考えてしまうことがでてくるのです。

応用って難しい・・・

 問題が起きたときに、解決策を考える必要があります。このような時に難しいのは「新しい問題に、知っている解き方を使用する」ことではなく、「解決策を自分で思い出すこと」になります。

 どのようにすれば、解決策を思い出しやすくなるのでしょうか?

 それが「複数のストーリーで同じルールを示す」ことです。同じ内容でも、違うストーリーで何度か伝えていくことで相手に覚えてもらい、思い出してもらいやすくなります。

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