解決できない問題から抜け出す方法2
前回から問題解決について学んでいます。それでは前回の復習をしていきたいと思います。
1 問題のとらえ方をかえる( )をすることによって優れた解決策が見えてくるきっかけをつくることができます。
2 自分が問題だと感じていることから、一度( )て見ることで別の見方をすることができるようになります。
3 (1)のメリットとして、問題には( )の原因や解決策があると気が付くことができます。
4 判断力を高めるための効果的な方法として( )を増やすというものがあります。
回答例
1 リフレーミング 2 はなれ 3 複数 4 選択肢
それでは、今回もトーマス・ウェデル=ウェデルスボルグさんの「解決できない問題を、解決できる問題に変える思考法」で思考法について学んでいきたいと思います。
リフレーミングをする準備
様々な効果が期待できる、リフレーミングですが、実際にはどのような手順をふんでおこなえばよいのでしょうか。
リフレーミングの手順を学ぶ前に、問題について考えるときの「よくある間違いへのプロセス」を確認しておきたいと思います。
よくある間違いへのプロセス
間違った対応をしてしまうまでの流れでよくあるのは以下のような流れです。
1 問題を急いで分析する
2 あわてて行動
3 本当の問題ではないところに労力をかけていたことに気が付く
4 せっかく始めたので最後までやりきろうとする
5 失敗に終わる
6 後始末のためにより大きな労力と、長い時間がかかる
このような間違いのプロセスにはまってしまうことがあります。
このプロセスにはまらないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
良いリフレーミングのプロセスとは?
良いリフレーミングのプロセスは
「フレーミング → リフレーミング → 前進」
この流れをくりかえしていきます。もう少し細かく内容をみていきたいと思います。
1 フレーミング
まず「解決しようとしている問題は何か?」という疑問からはじめます。
この疑問の答えを明確にし、可能であれば書きとめておくようにします。
2 リフレーミング
最初に考えた「問題」を疑い、他の問題のとらえ方ができないかを、すばやくたくさん考えていきます。
問題を他のとらえ方で見るためのポイントは
・フレームの外側を見る
→見逃しているものはないか?
・目標を見直す
→よりよい目標はないか?
・見えていない点を見る
→問題が発生していないところは?
・相手の視点に立つ
→相手のかかえている問題は?
このように、見方を変えて問題を様々な視点から見るようにしていきます。
3 前進
実際に試してみて、リフレーミングした内容の効果を確認します。
効果を確認した上で、必要があれば再度リフレーミングをおこないます。
このような流れで、一度決めた問題だけの解決をしようとするのではなく、繰り返し問題を見直しながら進めていくことが、効果的なリフレーミングになります。
実際に、「フレーミング」・「リフレーミング」をしてみよう
まずは「フレーミング」で、自分たちが解決しようとしている問題は何か?という問いについて考えてみましょう。
ここでのポイントは
「問題は○○です」という短い文章形式で書いておくことです。
問題を単語で書いている場合は、リフレーミングで問題をとらえ直すことが難しくなります。
「みかん」という言葉を他に置き換えるとなると「りんご」「バナナ」のように全くの別物を考える必要がでてきますが、
「みかんを食べる」という短文であれば「みかんを買う」「みかんを置く」「みかんをはこぶ」という他の方法で表現しやすくなります。
書くことによるメリットは?
短い文章形式で「書いておく」と言いましたが、書くことには次のようなメリットがあります
・冷静になる
問題を書き出すことで一度止まることができます。これにより「あわてて行動してしまう」ということを防ぐことができます。
・具体的に考えることができる
頭の中で考えるより、文字にすることで問題が明確になります。
・問題との距離をとることができる
一度、問題と自分を切り離すことができ、客観的にみることができるようになります。
・共有できる
周囲からアドバイスを得やすくなり、全員でバラバラのことを考えてしまうことを防ぎます。
・記録に残すことができる
次にリフレーミングをするときの参考にできます。
リフレーミングの注意点
リフレーミングでは「あまり細かい点にこだわらない」ようにする方がよいです。
問題を見直しているうちに「もっと具体的な方がよいのではないか?」と考えたり、「実行可能な形にした方がよいのではないか?」と感じたりするかもしれません。
『問題は「健康的な食事をとるようにする」ことです。』
というフレーミングをしたとします。
このとき、
「健康的?あいまいだな・・・」
「健康的な食事をする?これでは何をしたらよいかわからないから『朝食・昼食・夕食でサラダを食べる』ではどうか?」
「いや・・・サラダにも色々な種類があって・・・」
このような具体性を持たせるのは、もう少し進んでからの方がよいです。
あまり具体的になってしまうと、今後細かい点の変更をすることしかできなくなり、全体の方向転換がしにくくなります。
細部を考えるのは、全体がもう少し進んで「方向性があっていそうだ」と感じた段階にしておきましょう。
