自己認識攻略法3

 自己認識ができるようになることで、様々な良い効果が期待できますが、自己認識をさまたげるものもあります。まずは復習からスタートしていきたいと思います。

1 人は無意識のうちに、自分は(  )以上の力があると思い込んでいます。

2 人は自分の能力について(  )評価する傾向があります。これをダニング・クルーガー効果といいます。

3 人は自分で(  )だと思っているものについては、一般的なレベルであっても「よくできた」と感じます。

4 人は無意識のうちに(  )に左右されて意思決定をしています。

回答例

1 平均  2 過剰(過大)  3 得意  4 感情

いかがでしたでしょうか?それでは引き続き、ターシャ・ユーリックさんの『インサイト』で自己認識について学んでいきたいと思います。

現実を受け入れる

 それでは、どのようにすれば、自分が見えていない状態から、自分を見通す状態へと変化していくことができるのでしょうか?

 まず、最初のステップは「自分の前提を知ること」です。

 人は、自分の望みや期待通りに物事が進んでいない時、自分ではなく周りの環境に原因があると考えがちです。

 だからこそ、自分の価値観や前提を疑うことが自己認識には必要になってきます。

 では、どのようにすれば、自分の価値観や前提を疑うことができるのでしょうか?

過去の自分と比較する

 前提を疑うためには、過去にした予測と実際の結果を比較検証する習慣を身に付けることが効果的です。

 そのために、重要な決断を下すたびに、自分が考えた将来の予測を書き残しておき、うまくいかなくなったときには、予測と実際に起きたことを比較します。

今の自分の前提を特定する時

 過去ではなく、これから起きることへの自分の前提を特定したい場合はどうすれば良いのでしょうか?

 このような場合は「失敗の事前予測」をすることが効果的です。

 「1年後の未来に、自分の計画を現在のまま実行し、結果が散々だった」と想定し、なぜ散々な結果になったかを考えてみることです。

学び続けること

 自信過剰な人であっても、ひたすら学び続けることで、以前の自分には能力が足りていなかったと気づくことがあります。

 これにより継続的に努力しなければいけないと考えることができるようになります。

フィードバックを求める

 周りの人間には必ずと言っていいほど、自分には見えていないものが見えています。

 そこで、周囲から自分を評価してもらうようにすることで、正しい自己認識ができるようになっていきいます。

 

自尊心は高い方がよい?

 近年、自尊心が高いことにより成功することができると思われていました。

 しかし、研究によると、自尊心と成功には相関関係が、ほぼないということがわかっています。

 さらに、成功していない人が自尊心を高めるとパフォーマンスが向上するどころか、低下すると言う指摘もあります。

フィール・グッド効果

 自尊心が高いことによる影響は他にもあります。

 自分が特別で素晴らしいと考えている人は、少しの批判や失敗で立ち直れなくなってしまう傾向が見られるそうです。

 自尊心が高い事は、人間関係にも影響を与えています。

 実際よりも自分を高く評価している人は、周囲から厳しい評価を受けることが多く、一方で現実的な自己評価をしている人は、良い評価を受ける傾向が見られました。

自分教との戦い

 日常生活の中で、多くの人々は思っている以上に「自分」について口にしています。

 研究によると約60%は自分のことについて話をしているそうです。

 そのような中で、特に成功をおさめていると世間で認められた人の特徴として「友人や、仲間、世界で起きている出来事」について関心を持っていることが多いということがわかっています。

 つまり、自分以外のものに対して好奇心を持っています。他人と関わり、つながっていくことが大切になります。

自分について内省すると自己認識は低下する

 自分について知るために、自分の思考・感情・意志について検証することを「内省」といいます。自分について考えることで自分について知ることができる。つまり自己認識ができるように・・・ならないことがわかっています。

 自分について考えていると、自分について見つけたことを「真の問題だ」と考えてしまうのです。

 真の問題を特定したと感じた人は、自分のことを明確に見ることが難しくなってしまうのです。

 しかし、内省が問題ではなく、その方法に問題があることが多いようです。では、内省を活用するためにはどのようにすればよいのでしょうか?

内省を活用する原則

 内省を活用するための原則を紹介していきます。

・適切なアプローチを選択する

 内省では自分がどれだけ大変かということを言葉にすることではありません。

 そこから何を学び、どのようにすれば進むことができるかに焦点をあてる必要があります。

・柔軟なマインドセットを持つ

 自分の行動や感情の原因は「1つしかない」と考えるのではなく、別の視点を探したり作ったりする必要があります。

・「なぜ」の問い方には注意する

 人は「なぜ?」と問うときに、一番もっともらしく簡単な答えを探すことが多くあります。つまり、本当の原因ではなく「思いつきやすいこと」が原因であると判断してしまいやすくなります。

 自分について問いかけるときに、効果的な方法は「どんな」「何」を使用することです。

 「なぜ感じた?」→「何を感じた?」

 「なぜ混乱している」→「何に混乱している?」

 のように「なぜではなく何」で自分に問うようにすることが自己認識に対して大きな効果があります。

「なぜ」と「何」の使い分け

 かといって、「なぜ」という問いかけがダメということはありません。

 「なぜ」という問いかけはチームや組織など自分の周りを理解するときに役に立つ問いかけです。

 そのため、チーム内での問題解決には「なぜ」という問いかけが役にたちます。

 「なぜ」は自分の周りを、「何」は自分を理解するために使えるということです。

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