今度こそ!スキルを磨く法則5
前回は、よりよいフィードバックを予測に使用する方法を学んでいきました。それでは前回の復習をしておきたいと思います。
1 直感が活かせるようになるためには、十分な( )が必要になります。
2 優れた予測をする人々の特徴として、問題を( )して考える傾向がみられました。
3 優れた予測をする人々の特徴として、似たできごとが( )を知っているというものがあります。
4 予測をするときに、個人よりグループの方が良い結果を残す傾向がありましたが、これは( )から結論を出すことができるためだと考えられます。
回答例
1 手がかり 2 小さく分割 3 発生する確率 4 複数の視点
いかがでしたでしょうか。
それでは、今回もスコット・H・ヤングさんの『どんなスキルでも最速で磨く「マスタリーの法則」』で上達への最善の進め方を学んでいきたいと思います。
アンラーニングとは?
学習では全く新しいものを習得するとは限りません。時には今ある知識や技術を手放して新たなスキルを身につける必要がある場合があります。
このようなことを「アンラーニング」といいます。
「アンラーニング」ではこれまで持っていたものを手放す必要があるため、一時的にパフォーマンスが低下する可能性があり、習得したとしてもこれまでよりパフォーマンスが高くなるとは限りません。
それでは、「アンラーニング」を成功させるために必要なことには何があるのでしょうか?
アンラーニングのポイント1 「新たな制約」
新しい習慣を作っている途中では、気が付くと元の習慣に戻っていることがあります。
このようなことを防ぐために「制約」を加えてこれまでの習慣を実行できないようにしてしまうことが効果的です。
アンラーニングのポイント2 「他の人からのフィードバック」
新たな技術を習得するために効果的であったのか、効果がなかったのかを自分で判断することは難しいです。
そこで、自分以外の誰かに「自分がどのような行動をとっているか」を観察してもらい、フィードバックをもらうことが効果的です。
プロのコーチに見てもらわなければいけないということではなく、客観的にみてもらうことが重要です。
プロスポーツ選手でも、自分よりも選手としての実績がないコーチから指導を受けることがあります。だからといって、その指導に効果がないということはありません。
アンラーニングのポイント3 「建て替えよりも改修」
新たな知識や技術を学び直すといっても、すべてを変える必要がないこともあります。変更に関してはなるべく最小限におさえる方が得策である場合が多いです。
基本的には、これまで築き上げてきた基礎を取り壊して作り替えるよりも、修正したり強化したりする方が良いため、どの部分をどのように変更するかについては慎重に見る必要があります。
もし、全体をかえたいと思った場合でも、少しずつ調整して最終的に変化させているという状態にする方がよい場合が多いです。
不安は大きくなるのではなく、適応する
不安や恐怖は、直接的な害が発生しない限りは、経験すればするほど軽減することがわかっています。同じように恐怖に直面したとしても、繰り返されると「適応」して恐怖は軽減していきます。
能力を向上させるにおいて、不安や恐怖が壁になることがあります。たとえば、習得できるかどうか不安であるので、練習を開始できないということや、(準備ができていない)と感じて挑戦しようとしないということが起きてきます。
注意が必要なのは、このような不安や恐怖を軽減するためにとっている方法が、実際には悪化させていることがあるということです。
不安や恐怖からの「回避」
不安や恐怖を「回避」したいと思い、実際に不安や恐怖の対象から逃れたとします。しかし、これには2つ問題点があります。
1つめは、危険だと想像するものを避け続けることによって、現実にどれくらい問題であるかを把握するための情報を得ることができないという点です。もしかすると、危険だと想像していたことが、現実には問題ではない可能性があるのですが、避け続けることでずっと危険だと思い続けてしまうことになります。
2つめは、不安をやりすごすことによって、「将来もこの不安を避けなければいけない」と感じて不安をより強化してしまうことにつながります。
不安や恐怖に対処するには
不安や恐怖に対処する手段としては「なれること」と「思ったよりたいしたことがない」と感じることです。それでは、どのようにすればよいのでしょうか?
1 不安を書きだして特定する
不安や恐怖を書き出してみると、その根拠がそれほどでもないように感じることがあります。
2 「すべてうまくいく」とは言わない
心配をしたときに「安心」を求めることはよくあります。もちろん、不安を軽減する一定の効果はありますが、「回避」と似た結果を生むことがあります。
「すべてうまくいく」と思いこませようとすることで、(やはりそれくらい不安なことをしようとしてる)と感じてしまうということです。
必要であるのは、実際にやってみて「意外と大丈夫だった」と「やはり怖かったが、対処できるものだ」と感じることです。
3 集団でやってみる
同じ悩みをかかえたメンバーで一緒に挑戦し、フィードバックを受けることで不安や恐怖を克服することにつながります。
4 恐れを広い目で見る
人は不安や恐れを過大評価し、冷静さを保つ能力のことを過小評価する傾向があります。
実際に不安や恐怖に直面したときに、自分が「思ったより不安になっておらず、冷静に対処できている」という状況を見ることで「大丈夫である」というデータを収集することができるようになります。
熟練のための「学ぶ」ポイント
1 お手本をみつける
・手本の手順を、理解できるレベルにまで分解する
2 お手本を理解するための知識をつける
・手順を暗記するのであれば、100の問題を解決するために100通りの解決方法を学ばなければいけません。
理解による「一般化」が必要になります。
3 様々な例をみて一般化する
・複数の例から共通するものを見つけて、応用がきく「一般化された」状態ができるようにしていきます。
熟練のための「効果的な学習」ポイント
1 最初は反復練習、お手本の研究
・学習の初期は知識を入れることが大切です。
2 課題を複雑化していく
・入った知識を引き出せるように練習していきます。多種多様、難度を高めていくという課題に挑戦していきます。
3 フィードバックをいれる
熟練のための「フィードバック」ポイント
1 スコアをつけて、パフォーマンスを追跡する
・自己評価を正確に行うために必要です。
2 時後報告をする
・あとで分析できるようにしておきます。
3 アドバイスを受ける
・自分だけの目であると、どうしても見えない点がでてくるので、周囲からの目で意見をもらうようにします。
