お試しください!「投資の常識」5

 今回もハワード・マークスさんの『投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識』で、投資で成功するための心構えを学んでいきたいと思います。

ディフェンシブな投資戦略とは?

 投資をする際には、「儲けること」を最優先にするのか、それとも「損失を避けること」を重視するのか、スタンスを明確にすることが重要です。

 ディフェンシブな投資とは、「損失を避ける」ことを最優先に考える投資手法です。

 攻めの投資は、市場の平均を上回るリターンを狙うことを目的とします。

 一方、守りの投資では、損失を出す可能性のあるものを極力避けることで、長期的に安定した資産運用を目指します。

ディフェンシブな投資の具体的な方法

ディフェンシブな投資を実践するには、以下の3つのポイントを重視する必要があります。

  1. 投資の基準を厳格にする
  2. 持続的な繁栄や理想的な未来予測を材料にしない
  3. 不透明な要素に基づいた投資を避ける

1. 投資の基準を厳格にする

投資を行う際に、「なんとなく良さそうだから」という理由で資産を選んでしまうのは危険です。例えば、

  • 「この企業の株価が最近上がっているから買う」
  • 「みんなが投資しているから自分も投資する」

といった判断基準では、大きな損失につながる可能性があります。ディフェンシブな投資では、分析を徹底し、企業の財務状況や市場での立ち位置を確認することが重要です。

2. 持続的な繁栄や理想的な未来予測を材料にしない

「この企業は将来的に成長し続けるはずだ」といった希望的観測に基づく投資はリスクが高くなります。

 例えば、2000年代初頭のITバブルでは、多くの投資家が「IT企業は未来の産業だから成長し続ける」と信じていました。

 しかし、バブル崩壊後、多くの企業の株価が急落し、大損をした投資家も少なくありませんでした。

3. 不透明な要素に基づいた投資を避ける

 相場が悪い時期には、予期せぬ事態が発生することが多くなります。

 たとえば、2020年のコロナショックでは、世界経済が大きく停滞し、多くの企業が苦境に立たされました。

 こうした不確実性が高い時期にリスクの高い投資を行うのは避けるべきです。

落とし穴を避けるための考え方

投資で失敗しないためには、以下のような点を意識することが重要です。

  • 「起こるはず」の出来事をあてにしすぎない
  • 極端な出来事の影響を考慮する
  • すでに価格が上がった資産を避ける

1. 「起こるはず」の出来事をあてにしすぎない

「この企業は成長し続けるはず」「この業界は未来が明るいから投資するべきだ」といった思い込みは危険です。

 例えば、2010年代に流行した暗号資産(仮想通貨)投資では、「ビットコインは将来的に1億円になる」といった楽観的な予測が飛び交いました。

 しかし、実際には大きな価格変動があり、短期間で半値以下になったこともあります。

2. 極端な出来事の影響を考慮する

 投資では、標準的な結果が得られるとは限りません。リーマン・ショックやコロナショックのように、市場全体が一気に崩れることもあるため、極端な出来事を予想し、それが与える影響を考慮する必要があります。

3. すでに価格が上がった資産を避ける

 多くの投資家が「もっと上がるだろう」と思って購入した資産が、実はすでに過大評価されていることがあります。

 たとえば、2007年の住宅バブルでは、不動産価格が急騰し、多くの人が「まだ上がる」と考えて投資しました。

 しかし、バブル崩壊後、不動産価格は大暴落し、大損した投資家が続出しました。

危機から学ぶべきこと

投資の歴史を振り返ると、危機の中で多くの教訓が得られます。

  1. 資金に余裕があるときほど、無駄な投資をしやすい
  2. リスクを軽視すると、大きな損失につながる
  3. 損失よりも機会損失を恐れると、分析が不十分になる
  4. 資産同士の相関性を過小評価しがち
  5. 短期的には市場心理が大きく影響する

本質的価値を重視する

 優れた投資とは、「良いものを探す」のではなく、「お買い得なものを探す」ことです。

 たとえば、2008年の金融危機後、多くの優良企業の株価が暴落しました。

 このとき、投資家の中には「今は怖くて投資できない」と考えた人もいました。しかし、バフェットのような長期投資家は、「本質的価値よりも安くなっている資産」を買い増し、大きな利益を上げました。

分散投資の重要性

ディフェンシブな投資戦略の基本は、「大きな損失を出す可能性が少ない資産」による分散投資です。

  • 株式だけでなく、債券や金などを組み合わせる
  • さまざまな業種や地域に分散する
  • 異なる市場環境で異なる反応をする資産を選ぶ

たとえば、株式市場が不調のときでも、金(ゴールド)や債券は価値を維持しやすい傾向があります。

このように、異なる動きをする資産を組み合わせることで、リスクを軽減できます。

「望んでいたもの」が手に入らないときこそ「経験」となる。

 ディフェンシブな投資とは、「大きな利益を狙う」のではなく、「大きな損失を避ける」ことを重視する手法です。

 市場の浮き沈みに惑わされず、本質的価値を見極め、分散投資を心がけることで、長期的な安定したリターンを目指すことができます。

「賢明な人が最初にやることは、愚かな者が最後にやることだ」という投資格言のように、慎重な投資を心がけることが成功への近道と言えるでしょう。

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